不機嫌な根倉さん一家の
ある朝の出来事を書いています。
コミュニケーショントラブルを
誇張した妄想の作り話です。
前回はこちら
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健太君はOODAに従って観察・分析しました。
戦場で生まれたOODAループですが
彼が今闘う相手は父親ではなく自分自身です。
『なぜ、起きたのか?って考えるのじゃ
また思考がぐるぐる状態だから、
ここに焦点を当てない。
Oはobseve 観察かぁ。何を観察するんだろ?
何か釈然としない感情や感覚が
重い足かせとなり動けない気分。
今はイライラするような感覚はないよな。
でも、さっきまではあったけど。
えっとOODAでは方向性が重要?
そうか次のOはOriennt。
これオリエンテーションのオリエントだな。
これはゴールデンサークルのWHYと同じで
自分の行きたい方向性を導くから
先に2番目のOrientを確認しよう。
はい健太君あなたはどうしたい?
と、自問自答してみる。
どうしたいか?
どうなりたいか?
スッキリしたい。
起きたことを考えるんじゃなくて
父親ともうまくやっていきたい。
後戻りじゃなく前に進まないと
出口のないトンネルに戻ってしまう。
それは嫌だ!
だから
親父の問題は親父の問題。
俺の問題は俺の問題。
今OODAで解決するのは俺の問題だけ。
なぜ殴られたか?じゃなく
殴れるような状況は回避するために
自分はどうするか?
だよな・・・。
で、又最初の観察に戻ると
俺の態度は確かに不機嫌だった。
やる気0だった。
それは誰が見ていても不愉快になる。
不機嫌だったのは、朝が弱いせいで。
母親にいきなり怒鳴れたから。
やっぱ、お袋のせいじゃん!
あ・・・やべっ。
また人のせいにして逃げてるな。
人のせいにしても解決しないっつーの。
アホかな俺。
朝が苦手なのは夜遅いからだし
今日も授業あるのに、
大学行きたくないって思ってて・・・。
それはゼミのせいで・・・。
・・・・・。
原因じゃなく未来に向かって考えていたのに
意外な理由が出てきたぞ・・・。
げっ、まだ先生にこだわってるの・・かな、やっぱ。
ちっちゃいな~俺・・・。
うーん。なんだかヤバイなOODA!
色々思いついて面白いぞ!
そうだ売れない靴の話があったな。
有名な小説の話の引用だった。
あるアフリカの未開の村に2人のセールスマンが行った。
2人は靴の会社のセールスマンで
現地を見てから本社にこれ電報を打った。
セールスマンA
「ここでは誰も靴を履いてない。売れる見込みなし。帰国する。」
セールスマンB
「ここでは、まだ誰も靴を履いていない。倉庫の在庫全部送れ!」
全く同じ状況を観察している。
でも判断と行動は違っている。
一人は出来ないことに執着して諦める。
一人は出来ることに着目して挑戦する。
理由は問題ではなく
方向づけって大事なんだ。
方向付けは目的が明確じゃなきゃ。
これは以前勉強した
ゴールデンサークルかぁ。
観察しても方向づけによって
意味や解釈が違ってくる。
どう捉えて、どこへ行きたいか
方向性が重要で
その方向によって解釈が違い
なるほどね・・・。
パフェと話してたとき、
ホントはよく分かってなかった。
今自分の問題になって
やっと分かってきた。
だからパフェは論文書いたのか。
留年するのが嫌で
先生にゴマするんじゃなく
自分の目的のためにやったんだ・・・。
あいつ、研究者になりたいって・・・・。
そっかぁ・・・。』
「そっかぁ」って、
今頃わかる間抜けな健太君です。
しかし、これは当たり前。
人は皆自分の問題になったときに
初めて真剣に考えるのですから当然です。
OODAループの考え方
それにゴールデンサークルの考え方。
人生を大きく変えるチャンスにもなります。
健太君の表情は明るくなり
元気がみなぎってきているようです。
少なくとも
今は不機嫌には見えず
何かわくわくしているように見えます。
さて父親はどう感じているのか。
明日につ・づ・く
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物事をどう捉えるか。
どうなりたいか。
どうしたいか。
それによってどう観察するのか
大きく違います。
さて
松竹の元プロデューサーだった
楢部先生は高校生の頃
淀川さんから映画解説を学んだそうです。
もちろんご自分なりに
映画の評価はあったと思いますが
映画の評価や感じ方は、人それぞれ違うので
映画の評価を押し付けることはしないこと。
どんな映画も監督の思い入れがある。
どんな映画も良い部分がある。
背景があり、理由もある。
それを探して伝えることが
映画解説者の仕事だと
そういう信念があったそうです。
そう話す淀川さんは
いつも機嫌がよく不機嫌を撒き散らかす人では
なかったそうです。
そして
教え子の楢部先生もそういう方です。
楢部先生の映画解説。
皆様にお聞かせしたいです・・・。