振り込め詐欺未遂事件 詐欺師が教えてくれたこと | 桜井妙の「新ストレスと怒りの調理法」

桜井妙の「新ストレスと怒りの調理法」

★職業:講師 ★専門:ストレスマネジメント アンガーマネジメント コミュニケーション危機管理 ★特徴:「あたま・こころ・からだ」をととのえる ★㈱コミュニケーション・デザイン結 代表

義理の母から
よく分からない留守電がありました。

内容は我が家の次男のこと。
意味不明なのでスルーしていたらもう一度電話があり納得。
振り込め詐欺の電話があったようです。

ムサシ

詳しく聴くと

「僕だよ僕!」
「○○ちゃん?(と、うっかり孫の名前を言ってしまう義母)」
「あのね、今風邪ひいてるから声が変でごめんね。」
「そう・・・どうしたの?○○ちゃん元気?」
「あのね・・・大変なの。お財布落として大変なことになった。」
「えーーーー。それで?」
この後の義母の電話の会話の説明は意味不明でよく分からず・・・。
結局、会社のために多額のお金が必要で助けてほしいという話のよう。

「○○ちゃん、お母さんに言ったの?」
「お母さん忙しくて、お父さんも仕事で二人とも留守で連絡つかない。」
(息子は私をお母さんとは言いません。)
「ねぇおばあちゃん助けて。」

義母は変だなぁと思いながらも
半信半疑で、動揺しながら話を聴いたそうです。

最終的に
「○○万円送って。」
「そんな大金ないもの。おばあちゃん年金で暮らしているから」
「貯金あるでしょ?」
「◇◇でお金かかったりして、もうないよ」
「全くないの?」
「ないねぇ・・・。」
「ふーん、そうなんだ」

ガチャン!!という具合に電話が切れたそうです。

結

義母がお金持ちじゃなくて良かったです。
でも・・・今はカードローンでもサラ金でもどこでもお金借りられますから
孫のピンチならと借りてまで送った可能性があります。

義母は80歳を超えていますが
◇◇教室の責任者なのでとてもしっかりしていて
ボケのボの字もありません。
頭が良いのです。

振り込め詐欺もよーく分かっています。
自分は騙されないともよく言っていました。

そんな義母が孫の泣き声(だと、思い込んだそうです。)には
アッサリとダサまれてしまい話を
聴いてしまったそうです。

私と話しているときもまだ半信半疑で
「お母さんそれは振り込め詐欺ですから警察に電話しましたか?」
と言っても「そうなのぉ・・・・?○○ちゃんだ本当は困ってないの?」
と、まだ信じませんでした。

「○○は、元気で昨日も家に帰ってきたし
お財布なんか無くしていませんよ。大丈夫です!」

その後主人にも義母と話してもらい
やっと理解してくれました。

万華鏡

人は感情が強く刺激されたとき
思考は正常に働きません。

これは年齢に関係はありません。

怒りという感情に取りつかれたら
子どもでも殺人を犯すのと同じです。

振り込め詐欺は人間の弱点をうまく利用していて
理性は働くなくなります。

子どもを想う女性の愛情はとても深く
その愛情が不安を生み
母親とは、しつこく口煩く子どもに干渉します。

これは本能のようなもので
だからこそ子育てができるのです。
愛情は執着ですが、人間には重要なものです。

愛情があるから怒りや悲しみがわくのです。
そして、不安や心配も感じます。
強い愛情は強い不安も心配も創る。

涙

振り込め詐欺に騙される人を他人事だと思わず
誰もが取り込まれる心理詐欺であり
自分も騙される!と理解した方が良いでしょう。

ご自分のお父様お母様が高齢の方は
定期預金の通帳、キャッシュカード、印鑑は別に保管してはいかがでしょう?

取り上げるではなく、どれかの保管場所は秘密にして
隠しておき、使うときは必ず電話をしなければいけない仕組み。
これは有効です。

リス

でも

もっと大事なことに気が付きました。

もっと家族が電話をすれば良いのです。
孫も子どもも親ともっとコンタクトをしていたら

「さっき、孫と話したけど、あなたはどなた?」
で、済むことでした・・・。

電話は詐欺のためにあるのではありません。
大切な人とコミュニケーションを取るためにあるもの。

それに気がつかせてくれた
振り込め詐欺未遂事件でした。

義母はもう高齢です。
もし、義母に何かあったら
もう二度と話など出来ないのです。

それに気が付かせてくれた振り込め詐欺。
未遂だったことより、このことに深く感謝しました。

「お母さん、もっと電話しますね」BY 嫁の私
「おばあちゃん、もっと電話するからね!」BY 孫の○○
「おふくろ、今度又家に帰るね」BY 主人
「結婚式に呼ぶからね」BY 長男

皆が義母を大切だと心から感じた
そんな出来事でした。

結ぶ