この2月で、最初に肺癌にかかってから7年が経過しました。先日、半年に一度のPET-CTと脳MRI検査を受けて、異常なしとの結果を頂き、ホッとしました。


2017年以降、手術・抗がん剤治療・放射線治療・分子標的薬など治療を受けてきました。

現在服用している分子標的薬「タグリッソ」は、2020年2月から飲み始めたのですが、その時の私の病状は、肺に無数に癌細胞が広がり、「大変残念ですがもう今の医学ではあなたの癌をなくすことができない。これからは、できるだけ長く治療期間が続くように頑張りましょう」と主治医の先生から言われたほどで、数年後には生きていられないことを真剣に自覚しました。


ところが、とても幸運なことに…この薬の効果は平均して20ヶ月程であるのに対して、自分は48ヶ月間の効果が持続しています。たまにこういう珍しいタイプの患者がいるとの事で、どこまで持続できるか、病院側でも期待を込めて注目しているようです。

このように癌の薬物療法が非常に良く効き続けている患者を「スーパーレスポンダー」と呼ぶらしく、自分がそれに該当するそうです。大変有難いことだと思います。


下の子が小学校卒業まで生きていられないかも…と、この数年間は常に心に留め置いて生活していましたが、ついに来月は長女の中学校と次女の小学校の卒業式を見守れそうで、早くも胸いっぱいです。



癌を経験して以降、病気にかかる前と同じような体力に戻ることはないし、治療を続けていると副作用によって体力や精神力がすり減ったりもします。行動レベルを下げざるを得ない現実に、なんともいえない辛さを感じたりもしていました。


目標ラインを下げながら頑張ろうとするしかないけれど、周りとのギャップで落ち込んだり。頑張ってと励まされてしんどい時もあれば、かといって気を使われると地味にショックを受けるという厄介な心理状態だったり。

一方で、まだ自分の年齢だと身の回りの同世代に癌はそれほど共通した話題でもなく、誰にでも気軽に言える病気でもない為、普通を装い続ける事にストレスを感じたり。


でも今は、だいぶこの状況にも慣れて、周りと比較することもなくなってきたり、副作用への対症療法も生活の一部になったのかなと思います。


癌患者であることを悲嘆するより、個性の一つとして受け入れ、今ある毎日を大切にして、この一年も楽しみたいなと改めて思いました。

↑先週末、梅ヶ丘・羽根木公園の梅林。春のおとずれは嬉しい気持ちになりました。