6月に弾きたくなる曲と言えば。

チャイコフスキーの「四季より6月《舟歌》」。

ロシアの6月は、おそらく短い夏の季節。日本の6月とは当然違うでしょうが、なぜか日本の梅雨の季節にも馴染むような気がして弾いてしまいます。勝手なイメージですが、凪いでいる水面を舟で静かに漕ぎ出しながら、様々な思いを巡らせる…そのような風景を描きつつ。

冒頭の左手の伴奏は、舟のオールを漕ぐリズムを想像して、と以前レッスンで教えて頂きました。


美しくも切ないメロディーですが、中間部は流れに勢いが出て明るく展開して行ったり。舟と水面の揺らぎ、自然の移り変わりが、個人的には人生の日々の浮き沈み、あらゆる局面への遭遇にも重なるように感じられます。

ほんの数分の中に、一つの物語を見るような。想像力を掻き立てられる名曲だと思います。