人事評価制度の運用で実施する「面談」の意義について | 人事制度に「人材育成の仕組み」と「業績向上の仕組み」を組み込む法

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ある会社の人事評価制度の策定検討会でのことです。


「四半期単位」で上司による部下面談を実施するように提案したとこ

ろ、ある部長曰く・・・、

・「いやー、うちの部ではほとんど毎日、部下とコミュニケーションをとっ

 ているし、業務フォローも頻繁に行っているので、改めて四半期単位

 で面談を持つ必要性があまりないのですが・・・。

 四半期単位での面談ルールはルールとして別に構いませんが、実

 施するしないは部で判断させてもらえませんか・・・」

とのこと。

皆さんはどのようにお考えになりますでしょうか?。

確かに、日々良好なコミュニケーションがとれ、業務の進捗を上司と部

下の双方で把握していれば、改めて四半期単位での面談は不要のよ

うな気がします。

しかし、それでもやはり四半期単位での面談は必要なのです。
(※四半期に拘るわけではありません。一ヶ月単位でも半期単位で

も、個々の会社の事情に合わせて設定すればよいと思います)

何故かといいますと・・・・・

現場で実施している日々のコミュニケーションや業務フォローは、おそ

らく、業務そのものにスポットを当てているのではないでしょうか。

例えば、
 

「部下の業務は計画通りに進んでいるか、何か問題が発生していない

か、発生した問題にどのように対応すれば良いのか」など、仕事その

ものの生産性(効率性と効果性)に焦点を当ててフォローを行っている

のではないでしょうか。

これはこれで何の問題もありません。しっかりとフォローし、生産性高く

業務が完遂できればそれに越したことはありません。

それでは、四半期単位でわざわざ時間をとって上司と部下が向かい合

って面談を行う意味とは、一体どこにあるのでしょうか。

それは、仕事にスポットを当てるというよりも、「人そのものにスポットを

当てる」ことに大いに意味があるのです。

日々の業務フォローはどちらかというと、人材育成よりも仕事の生産性

を優先して行います。

でも、人事評価制度の運用での「面談」は違います。
 

人そのものにスポットを当てて、「どのようにすればスキルが向上する

のか、モチベーションが上がるのか」、あるいは、「自分のステップアッ

プに向けた課題をどう自覚し改善するか」・・・などをすり合わせる場な

のです。

人事評価の評価項目をベースにして、今の自分の仕事ぶりやスキル

を振り返った時に、どこにどのような課題があるのかに気づき、改善の

決意をする場なのです。

もちろん、このように人と仕事はスパッと分けて考えられるものではあ

りませんが、是非とも意識して頂きたいと思います。

ちなみに、人事評価項目は人材育成と表裏一体の評価項目と内容で

あるべきで、また、その仕事ぶりの水準がイメージできるような形で整

備されていることが前提となります。

いずれにしても、「仕事の改善」と「人材の改善(育成)」を混同しては

なりません。
私たちは、仕事の改善には日々注意を払いますが、「人の改善」はど

うしても後回しになりがちです。
 

「人の改善」も意識し、本当の意味での人材育成型の人事評価制度

の策定と運用を実現したいものです。