投資の議論、してますか? | 井上浩二の「現在(いま)を考える。」

投資の議論、してますか?

もう1月も終わりという事で、4月からの来期予算の詰めに入っている方も多いのではないでしょうか?先日、私もあるお客様と継続して行っている取り組みの来期予算のお話を聞かせて頂きました。今年度の予算消化率は20%にも満たないのですが、試行錯誤を繰り返して行っている取り組みなので、来期も今期と同等の予算を確保されたとのこと。後は、この予算をどのように「生き金」にするかの議論が大事。これから、このお客様ではその議論をメンバーとしていくことになるのですが・・・

 

「予算」って言葉は議論に適切?
実は、私は「予算」という言葉を議論で使うのはあまり好きじゃないんですよね。「売上予算」なんて言葉で議論しているのを聞いていると、何だか「売上ノルマ」の経営側と現場の攻防のように見えるし。「経費予算」に関しては、お役所なんかは「消化するもの」あるいは「使っていいお金」みたいに議論しているように見えちゃう。今回は、会計的観点から見れば経費系の話なんですけど、こういう見方をしているといつの間にやら「何のために使うお金か」という大事な論点が抜け落ちてくるように思います。経費には、消耗品など事業運営上の必需品があり、それはコスト。コストに関しては、無駄をなくすことで利益は上がる。しかし、コスト削減ばかりに目が行くと生産性が落ちるおことがある。そこをどうするか、という議論が必要なんでしょうね。一方、それ以外の経費予算は、経営的観点から見れば全て「投資」だと私は思っています。会計的に販売管理費に分類されているお金の大部分、また特に販売促進費と分類されているものは全て投資。いつ、何の目的で、幾ら、何に投資するのか。その投資によって、どのような効果を生み出そうとしているのか。この議論が重要。ただ、この金額と言うか枠の決め方は企業によって異なりますが、会社全体の業績目標(予想?)に基づき、かけて良い費用を割り出して予算とするところも多いのではないでしょうか。(多くの場合は、前年実績や予算をベースにして。)ま、そうなると、「使っていいお金」的な解釈になりますよね。この発想で来期計画なんかを作って行くと、メリハリもチャレンジもない、のっぺりとした毎年の繰り返しのような計画になってしまう事がある。会社としては、かけるお金に上限があるのは当たり前ですが、その額をどこにどう使うか、何を狙うかの議論がしっかりできると、来期の活動は面白くなりますよね。そして、そういう活動からは様々な効果が生まれる。私も、お客様とこれからそんな議論をしていこうと思っていますが、皆さんも是非経費面での「予算」を「投資」という言葉に置き換え、効果を狙った活動を議論してみては如何でしょう?って、私なんかに言われる前に、皆さんはそう取り組んでいらっしゃいますよね。


そんな議論をお客様としている中、素晴らしい投資をしているなぁと個人的に感心した事例が。24日、関ヶ原で大雪が降りましたよね。私は、その日のぞみで東京に戻る予定で、夕方帰って大変な目に合わないように、昼前の電車に乗せて頂きました。で、1時間程度の遅れで帰る事が出来たのですが・・・ニュースを見ていると夜も1時間程度の遅れで済んだようですね。数年前は、こんなもんじゃなかったのに。きっと、JRは継続的に投資して改善してきたのでしょうね。その結果、顧客満足度がとっても上がったと思います。個人的には、素晴らしい投資と感動しちゃいました。