プロであることを意識していますか? | 井上浩二の「現在(いま)を考える。」

プロであることを意識していますか?

「xxさん、ここ、イケメンボイス下さい!」「○○さん、心地よい疲れ、乗せて下さい!」いやいや、ディレクションが面白い!お客様の新規事業支援から、いつの間にやらCM制作までどっぷり足を突っ込むことになったプロジェクトですが、7月から放映されるCMはついに音入れ。ここまで来ると、結構素敵なCMが出来ている気になってちょっといい気になっているのですが、それは自己満足かな。

 

プロとして仕事に向き合う
30秒CMと15秒CMの音入れを2時間で完了しました。短時間でやり切る現場には、いい緊張感とモノ作りの楽しさがあって、とても良い経験をさせて頂きました。アニメの音入れは初めての体験だったので、声優さんの声を取り直しては画像に即入れ込んで確認、そして議論してまた新たなディレクションを出して録音を繰り返す作業はとても新鮮でした。しかし、監督からのディレクション、時にフワッとしていてつかみどころがないようにも思うのですが、声優さんたちはそこにしっかり応える、凄いですね。「ごめん、それじゃ疲れすぎている。なんて言うか、やり切った感の爽やかさ?快感?みたいなもんをのっけてみて。じゃ、工夫して3回お願いします。」てな感じ。すると、声優さんは工夫しながらちょっとニュアンスを変えて3回吹き込む。「どうでしょう、2つ目かなと思うんですが」と監督。すると、直ぐにその声を画像に乗せて確認。声優さんの工夫にも驚かされますが、監督の声を聞き分けながら最適なものを即断する力も凄いと感心しました。また、30秒という尺に乗せようとすると、セリフにタメがなくなったり、意図が伝わらなくなったりで、その調整も大変。とっても大事な場面こそ、そう言う事が起きる。音を入れてもらって確認、全員「う~ん」と考え込む。この沈黙、短い時間なんですが重い。素人の私は、「ここでこんなこと言うのはルール違反かも知れませんが、セリフ変えて見ません?・・・」と提案すると、なんと監督は「それ、頂きです!だったら、ここもちょっといじって良いですか?・・・xxさん、申し訳ないけどセリフ変えまーす!良いですか・・・」すると、今度は本当にしっくり!みんながプロ意識を持って仕事をしていると、つくづく感心。こういう現場は、とっても良いですね。

 

職業人は皆プロなのに・・・
その日はとっても美味しい広島のお好み、八誠でプロの味を堪能しました。お客様からお金を頂いて仕事をする、金額を超える付加価値を提供する、それがプロですよね。って、こういえば仕事をしている人はみなプロってこと。しかし、どうでしょう?普通のビジネスマンにはそういう意識が希薄な人も多いように感じることがあります。何故だろう?なんて考えてみたのですが・・・例えば、声優さん。ここのところ、アニメ人気で声優さんになりたい人も増えている。しかし、仕事はそんなに多くはないですよね。ま、売れっ子になっちゃえば良いのでしょうが。そうなると、数少ないチャンスで価値を認めてもらい、次のチャンスを掴まないといけない。そのために、常に準備している。そして、少ないチャンスが巡ってきた時には、プロとしての仕事に徹する。この緊張感がプロを意識させるのかな。ちょっと味が落ちたりマンネリ化したりするとお客離れが起きる飲食業も、同じ。常に切磋琢磨している。これが足りない色々な仕事の現場では、曲がりなりにもプロって言えない人が沢山いたりする。やっぱり自分でしっかり意識して、自分に厳しく臨むしかないのかな、なんて結論に達しました。