昨年は熊出没のニュースを良く聞いたが、自分も数年前に地元で熊に遭遇したことがある。その模様を思い出して書いてみた。

 

 

自分は東京都多摩地区の西部在住で、市内某寺院の境内に「鎌倉時代の某武士が植えたと伝わる桜が残っている」と知り、自転車で向かった。

 

 

丘陵に挟まれた谷底状の平地を通る片側一社線の街道を走り、途中から丘陵へ上って、中腹に所在する寺院へ。

 

 

山門まであと5〜60mくらいに近づくと、山門横には2人の警官と蛍光色のベストと帽子を着用した男性がおり、その警官が拡声器で「逃げろ〜!!」とこちらに向かって叫ぶのである。

 

 

「俺かあ?」と後ろを振り返っても誰もおらず、自分に向かって「逃げろ!」と言ったのだと理解したが、目の前には特に何もない。

 

 

「一体、何なんだ?」と思いつつ山門に向かって自転車を漕ぐと、警官は再び「逃げろお〜!!」と、ただならぬ様子で叫びながら、こちらへ向かって走って来るのである。

 

 

すると、↑道の右側の畑から大きな真っ黒い犬が飛び出して、自分に向かって突進して来たのだ。目

 

 

その黒い大型犬を見て、自分は「犬じゃない!熊だあっ!!」と気付いた時には(気付くの遅い 笑)、熊は目の前で「ぶつかる〜!!」と急ブレーキをかけた。叫び

 

 

すると熊は、マラドーナか、メッシか、ロナウジーニョのような華麗なフェイントで自分の右側を擦り抜け、かなりの勢いで走り去って行ったのである。

 

 

熊の全力疾走って奴は、想像を上回る速さだった。あれじゃ、人が走って逃げられるわけないと思ったね。

 

 

拡声器を持った警官は自分を通り越し、走りながら「熊が出ていま〜す!農作業をやめて、家の中へ避難してくださ〜い!!」と叫んでいる。

 

 

山門へ着くと、残った警官は無線で連絡しており、遠くからパトカーのサイレンが聞こえて来た。

 

 

「あ〜、びっくりした・・・」と山門前で一息。蛍光色のベストと帽子を着用した男性は猟銃を所持した猟友会の人で、またビックリ。

 

 

山門から境内に入ると、鐘楼の横にはパトカーが止まっており「猟友会の人もいるし、警官もいるから大丈夫だろ?」と熊が出たことなどスッカリ忘れ(笑)寺院を見学、目的の桜も撮影し、寺院から街道へ降りた。

 

 

すると「熊が出ていま〜す!決して屋外へ出ないでくださ〜い!」と連呼するパトカーが走り回り、数名の猟友会の方が熊を追い詰めている模様。

 

 

その日は、もう1箇所近くの寺院を廻る予定だったのだが、今日は、やめとくか(当たり前だろ 笑)と自宅へ向かって自転車を漕ぐと、後方から「パァ〜ン!!パァ~ン!!パァ~ン!!」と猟銃ぶっ放す音が聞こえ、ビビりましたわい。

 

 

また、パトカーが「外へ出るな!」と連呼しながら走り回っているにも関わらず、民家の玄関からバット持った老人が飛び出て来たのを見た時は、開いた口が塞がりませんでしたわい。爺さん、やめとけよ(汗)

 

 

↑市内には月の輪熊が出没する山があり、鈴を鳴らしつつビクビクしながら登ったことがあるが(笑)それは人里離れた、もっと奥地。民家が点在する集落にまで出るとは思わなかったっすね。

 

 

帰宅してググってみると「一週間前から○○町周辺に熊出没」というニュースがあり、以降、山方面へ行く前には熊情報をチェックするようにしている次第です(懲りてない 笑)。

 

 

あの日の事は、今でもたまに思い出して「なんで熊の写真撮らなかったんだ!」と後悔しています(笑)