↑前から聴こうと思っていた2008年発表のアルバム「BAD FOR YOU BABY」を聴いてみた。以前、ヤング・ギター誌のゲイリー追悼特集のコーナーに掲載されたレビューには、以下の解説があった。

 

前作(07年に発表の「CLOSE AS YOU GET」)よりもアグレッシブなアルバムを作ろうとしたゲイリーの思惑は成功し、冒頭からコシの強いギターが唸りを上げる。

 

リード・プレイもブルースの域を逸脱しかねない弾きまくりが再び増えている。(5)(6)(7)(8)(12)はカヴァーで、とりわけダニー・ハサウェイの(6)における爆発的な泣きのソロは涙なしに聴けない。

 

アルバム収録曲は以下の通りで、2分代、3分代の曲がメインで、全体的に曲は短い印象だが(6)と(11)は10分近い大作。(12)は日本盤のみに収録されたボーナス・トラックである。

 

(1)Bad For You Baby … 2' 54"

(2)Down The Line … 2' 56"

(3)Umbrella Man … 3' 39"

(4)Holding On … 3' 47"

(5)Walkin' Thru The Park … 3' 00"

(6)I Love You More Than You'll Ever Know … 10' 37"

(7)Mojo Boogie … 3' 33"

(8)Someday Baby … 3' 35"

(9)Did You Ever Feel Lonely? … 6' 11"

(10)Preacher Man Blues … 5' 58"

(11)Trouble Ain't Far Behind … 9' 45"

(12)Picture On The Wall … 4' 03"

          Tr.12 : Bonus Track For Japan

 

そして個人的な感想。このアルバムは、例えばアルバム「A Different Beat」のクラブ・ミュージック風な色合いの楽曲は無く、正真正銘のブルース・アルバムであり、ギター・アルバムで、全曲安心して(?)楽しめた。

 

アルバム「A Different Beat」や「Dark days in Paradise」も決して悪くは無いのだが、自分はやはりブルースが聴きたいのだ。ゲイリーの弾くブルージーなフレーズが聴きたいのだ。

 

アルバムのハイライトは、ヤング・ギター誌のレビューにもあったが(6)のスロー・ブルース「I Love You More Than You'll Ever Know」である。

 

曲、ギターのトーン、ゲイリーのプレイ、全て最高。深夜に一杯やりつつ聴けば、自分の世界に深く入り込める。特にギターの音がいい。自分の安物ステレオで聴いても、目の前に置かれたギター・アンプからギターの音が聞こえてくる感じがあるね。

 

同じく10分近い(11)の「Trouble Ain't Far Behind」の曲調はノンビリ、ゆったり、ほのぼのとした感じで(6)「I Love You More Than You'll Ever Know」の物哀しい曲調と泣きのギター・プレイとは対照的だが、とても楽しめる。どちらもいいっすね。

 

また(7)「Mojo Boogie」は、ブギ好きの人には堪らないと思う。このアルバム、どうでもいい曲は無く、通して聴くのも良し、好きな曲だけ繰り返すのも良し、当分楽しめそうだ。

 

全12曲中、5曲が黒人ブルース・マンのカヴァーらしいが、それがどの曲か?には全く興味無い。黒人のブルースが良いのは頭では分かる。しかし、自分は白人が歪ませたトーンで弾きまくったプレイの方が好みなんでやんす。

 

いかん、脱線してもうた。まだまだ聴いてないゲイリーのアルバムがある。1枚づつ、ジックリ聴いていきますか。