BOOK・OFFで購入したPHP研究所発行のこの本、奥付を見ると2010年3月に第1版第1刷が、2015年3月には第15刷が発行されている。著者名の記載は無く「編著者」として株式会社レッカ社が記載されている。数人で共著だれたものだろうか?
店頭でこの本を発見した時は「信じるか信じないか?は、あなた次第!」のキャッチフレーズで有名な、某番組を思い出した。
番組でフリーメイソンを取り上げていたのは数年前だと記憶しているが「本当に世界を裏で動かしてんのかよ?それこそ、都市伝説じゃねえの?」と思ったもんだ。
↑同時に、フリーメイソンと坂本龍馬の繋がりについて問題提議された加地将一先生の問題作「龍馬の黒幕 - 明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン」も思い出した。
この本でのフリーメイソンの扱いは、物語の重要な一部として語られているものだが、この「フリーメイソンの秘密」は一冊丸ごとフリーメイソンである。
以下に本の構成を転記した。
第1章 … フリーメイソンの基礎知識
第2章 … 世界史の裏舞台で暗躍するフリーメイソン
第3章 … 世界支配を目論むフリーメイソンの陰謀
第4章 … フリーメイソンの暗号
第5章 … フリーメイソンのメンバー
第6章 … 日本とフリーメイソン
まずフリーメイソンは、いつ、どこで、誰の手によって設立されたのか?以下に本書に記載されている組織の起源に関する3つの説を書き出してみた。
●フリーメイソン(FreeMason)とは、自由な、自営の
(Free)石工(Mason)という意味で、
ソロモンの神殿を造った石工の末裔が設立した説。
●フリーメイソンの歴史が始まったのは、1717年ロンドンで
グランドロッジが結成された時だとする説。
●14世紀にフランスでの迫害から逃れてスコットランドに
渡ったテンプル騎士団が設立したとする説。テンプル騎士団が
発見した聖杯は、フリーメイソンに渡った説もある。
(フリーメイソンの最高の位階は「テンプル騎士」と
呼ばれるそうである)
う〜ん、1717年ロンドン説がもっともらしい気がする。「テンプル騎士団が発見した聖杯」と来ると「それ、ダ・ヴィンチ・コードだろ?」と突っ込んでしまった。
また、様々な国で起こった革命や独立戦争にフリーメイソンが深く関与している、という噂に関しては以下の通り。
●1870年にローマを解放してイタリアを統一したのは、
フリーメイソンのグランド・マスター、
ジュゼッペ・カリバルディである。
●王政を倒し近代国家設立の口火を切って
フランス革命を起こしたのはフリーメイソンである。
また「ナポレオンはフリーメイソンだった」という説を
支持する人も多いらしい。
●アメリカは、フリーメイソンによって作られた国家である。
某都市伝説番組でのフリーメイソンに関する話では、特にアメリカについて詳しく紹介されていた。読み進めると、あの番組のネタは、この本か?と思ってしまった。なぜか?と言うと…
●ドル紙幣にはフリーメイソンの暗号が隠されている。
●ホワイトハウスを建設したのはフリーメイソンである。
●自由の女神像はメイソンからの贈り物だった?
●歴代の大統領はフリーメイソンが占めていた。
●ケネディ暗殺はフリーメイソンの指示だった?
などなど、番組そのものじゃないか?番組制作にあたり参考にしたに違いない!と思ってしまったが、フリーメイソンを語る上でこれらの話は既に一般的になっているのかも?ちょっと詳しい人なら誰でも知ってることなのかも?とも思った。
また、本の最後「第6章 日本とフリーメイソン」では、以下の通り、上記で紹介した加地将一先生の問題作「龍馬の黒幕 - 明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン」の内容と重複する話もあり、興味を唆る。
●フリーメイソンによってお膳立てされた薩長同盟
●江戸城無血開城もフリーメイソンの筋書きだった?
●坂本龍馬はメイソンだった?
●日米和親条約の陰にメイソンあり?
●明治政府とフリーメイソンの間で交わされた密約とは?
幕末動乱の日本で武器を大量に売りつけて大儲けしようと企んだ外国人商人がいたのは間違いない。それにメイソンが積極的に関与してたかどうか?は怪しいと思うが、英国政府は、あわよくば動乱に乗じて日本を植民地にしたろか?と考えていなかったとは言えないと思っている。
それはともかく「テンプル騎士団」「聖杯」とか出て来たので、またダ・ヴィンチ・コード読みたくなってしまった。