↑株式会社シンコー・ミュージックから出版された単行本、ジョー・ニック・パトスキーとビル・クロウフォードの共著で、原題は「Stevie Ray Vaughan Caught in the Crossfire」です。
翻訳は戸根由紀恵と高橋恭子、初版発行は1994年。価格は2,700円(本体2,621円)。内容を一言で言えば、スティーヴィーの生涯を描いた伝記、ドキュメンタリーです。
話は幼少期から始まり、デヴュー後にドラッグ中毒とアルコール中毒に陥ってしまい、懸命なリハビリの末に見事に完全復活、そして悲劇的な死を迎えるまで、読めば彼の人生を詳細に知ることができますね。
CDは何枚か持っているけど、スティーヴィーの詳しいことは殆ど知らない、という方には是非読んで頂きたい。ブルースとギターに全身全霊で向き合った男の、熱い物語なのであ〜る。
本文は上下二段組で約340ページあり、文字は小さめで相当な文字数である。本文は21章に分かれていて、以下に各章のタイトルを転記しました。
第1章 … おれのギターに手を出すな
第2章 … どじなやつ
第3章 … オースティンには出てはみたが
第4章 … 散々なるLAツアー
第5章 … コズミック・カウボーイたちの土地
第6章 … ブルースの故郷
第7章 … ハリケーン、席巻す
第8章 … ハウリン・ウルフのようにいやらしく
第9章 … スティーヴィー・レイ
第10章 … ジギー・ダストの伝説とテキサス・キッド
第11章 … T・ボーンよりうまく
第12章 … カーネギー・ホール
第13章 … シリアス・トラブル
第14章 … 1日7グラム
第15章 … ヴゥードゥー・チャイル
第16章 … スティーヴィー・V.
第17章 … 償い
第18章 … イン・ステップ
第19章 … ヒルビリーズ・フロム・アウター・スペース
第20章 … オーティス急行
第21章 … かすかな帰還
第10章でのデビット・ボウイとの出会いが近づくに連れワクワクしましたが、そこまでも十分に面白いです。
ひたすらギターとブルースに没頭し、音楽で成功したいと苦闘する時代のエピソードの数々が自分は最も好きである。と言いつつ、彼は実兄のジミーと共に地元では有名だったようです。
そして、ファンなら誰もが知っている輝かしい栄光を掴んだ話は気分が高揚しました。ドラッグとアルコールに溺れて行く箇所、第14章「1日7グラム」は、怖いもの見たさで読みました。その一節を、以下に引用しました。
彼は6歳で酒の味を覚えた。父親の酒をこっそり舐め、家の酒棚から盗み飲みした。それからの25年間、彼はLSDやマリワナに手を出し、お気に入りの毒薬(アルコール、メタアンフェタミン、コカイン)を見つけ、家庭医学辞典どおりの道を歩んできたのだった。
いやはや何とも凄い。ま、そんなことやってら、そりゃ死にかけますわな。ま、いくら6歳から飲んでたとしても(笑)ドラッグまで行ってしまう理由、彼は深刻な借金問題・女性問題を抱えていたようで、なんとなく分かるような気もしたましたが・・・
そして、悲劇に向かって読み進めるのが億劫になって行きます。しかし、自分はヘリコプターの事故で亡くなったことは知っていても、その詳しい状況は知らなかったのでジックリ読みました。
この本、とても一日で読める本ではないです。自分は読むの速いほうですが、それでも一週間ほど掛かりました。この本は、大袈裟な逸話やら、美談で本人を飾り立てた物ではなく、真実の、ありのままのスティーヴィーの人生が描かれていると感じました。
↓Amazonを見てみると、驚くような値段になっていてビックリしました。