文藝春秋発行のこの本、税抜1,600円。奥付には、2018年7月30日第1刷発行と記載あり。
本の内容は「Sports Graphic Number」931号から954・955・956合併号に掲載された、約1年間にわたる連載「清原和博 告白」に加筆、修正して再構成されたものとのことだ。
また、清原氏本人が執筆したのではなく、編集部員からのインタビューに答えた内容を文章に起こした、いわゆるインタビュー集と言っても良いだろう。
自分は「Number」誌の連載を読んでいないので購入したのだが、読んでいたら購入しなかったかもしれない。以下に各章のタイトルを転記した。
序 ……「告白」の始まり
告白1 … 岸和田の少年
告白2 … 人生を変えた16の夏
告白3 … 甲子園のライバル、そして桑田のこと
告白4 … 1985年夏、最初で最後の瞬間
告白5 … 「裏切り」のドラフト
告白6 … ドラフトの「傷」
告白7 … 黄金ルーキーの手帳
告白8 … 無冠の帝王のジレンマ
告白9 … FA宣言 - 巨人という決断
告白10 … 松井敬遠、清原勝負の苛立ち
告白11 … 肉体改造とグリーニーの理由
告白12 … ピアスに込めた反骨心
告白13 … 巨人解雇と涙の「とんぼ」
告白14 … 鳴り止まぬ仰木さんの電話
告白15 … 最後のひと花
告白16 … 初めて引退を考えた日
告白17 … ユー・アー・オールドマン
告白18 … 清原和博は二度死ぬ
告白19 … 526本目のホームラン
告白20 … 俺、もうやめるわ
告白21 … 生まれ変わったら、もう一度
告白22 … 覚醒剤と心の穴
告白23 … 今もまだ暗闇の中にいる
御覧の通り、告白1から21までの話は、野球ファンなら良く知っている話だ。自分は清原選手が好きだったので、彼に関する番組は幾つも観た。特にPL学園での活躍から引退までのストーリーは詳しく知っているつもりなので「?」と思った。
「告白」というタイトルからして、いかにして覚醒剤に手を染めるようになってしまったのか?その詳細な経過、心の葛藤、覚醒剤中毒による症状などを赤裸々に告白した本だと勝手に期待してしまったのである。
考えてみれば、これはスポーツ雑誌の記事を纏めた本で、自分の下世話な好奇心?を満たすような記事は記載されていないのは仕方ないと言うべきなのかも。
しかし、自分は清原和博氏の野球選手としての逸話や伝説、ストーリーに詳しいつもりでいたが、それでも初めて知る話(特に幼少期の話など)も多く、より清原氏を詳しく知ることができ、読んで良かったと思う。本に付属の帯、その裏表紙側には以下の文章が掲載されていた。
もし、まだ僕の言葉を聞いてくれる人がいるなら…
今の僕のありのままの気持ちを残すことで、
スポーツで挫折した人、覚醒剤をやってしまった人、
何かを失いそうな人、これから生きる人たちの
ためになるのでしたら…
清原和博
↓文庫本もあるようです。