↑これを買ったのは10年以上前でしょうか。当時は、イングヴェイしか聴かない時期で、毎晩イングヴェイの教則DVDを見ては「スキャロップってどんな感じなんだろ?」と思っていて、新宿の某ギターショップで購入したものです。

 

 

↑ちなみに、音はこんな感じです。プレイの方は、御愛嬌(汗)自分はこの程度しか弾けないわけですが、そもそも、イングヴェイ・モデルでレイ・ヴォーン弾いちゃってるし、やってること滅茶苦茶ですね(笑)

 

実は、これは正規の Fender USA もしくは Fender Japan のイングヴェイ・モデルではありません。

 

自分が買ったショップが Fender Japan に発注して作らせた特注品(?)で、正規のイングヴェイ・モデルよりもかなり安く、通常のフェンジャパのストラトと変わらない値段だったと記憶しています。

 

2003年版フェンジャパのカタログを見てみると、イングヴェイ・モデルの「ST71-140YM」の定価は14万円となっていますが(ST68-185YMは18万5千円)自分のは、8万円台だったと記憶しています。

 

安いのには理由があり、ナットはブラス、指板はスキャロップになっているものの、スキャロップが浅く、ハーフ・スキャロップって感じで、指が指板に当たります。ハーフ・スキャロップがお好きな方には良いのかもしれませんが・・・

 

また、フレットもイングヴェイ仕様のスーパー・ジャンボではなく、通常のストラトのフレットです。何より、PUは「HS-3」ではなく、これまた Fender Japan の標準的なPU・・・

 

 

↑おまけに、これは72年製モデルなので、ネックとボディーのジョイントはマイクロ・ティルト・アジャスト機構が付いた、いわゆる「3点止め」です。

 

イングヴェイは3点止めが嫌いらしく、70年代のストラトは4点止めに改造していたらしいですね。

 

ただ、71年製の「New Duck」に関しては3点止めのままで使ってるとも聞いたことがあるのですが、どうなんでしょう?それはさておき、正規のイングヴェイ・モデルと言えば・・・

 

(1)DiMarzio HS-3 & YJM

(2)ネックとボディーのジョイントは

    アンカー・マウンテッド・ネックジョイントの4点止め

(3)ブラス・ナット&スキャロップ指板

(4)スーパー・ジャンボ・フレット

 

と言うスペックだったと記憶していますが、自分のは「見かけだけのイングヴェイ・モデル」なので安いわけです。知ってる人が見れば、一目で分かりますね。

 

 

で、こいつは最近、全く弾いていません。なぜか?と言えば、数年前に「これからはブルース一本で行こう!」と思ったからです。

 

一見イングヴェイ・モデルみたいなギターで、レイ・ヴォーンとかのブルース弾くのはやっぱり変ですしね(笑)

 

また、以前は、持ってるギターをズラッと並べて喜んでいたのですが、どういう心境の変化か?自分でも分かりませんが、最近は弾かなくなったギターを手元に置いておくことが嫌なのです。

 

ってか、罪悪感すら感じてしまうのです。弾かないんだったら、欲しい人に買って貰った方がいいと思うし・・・

 

なにより、こいつは、奇妙なことに、5フレットと7フレットの2・3弦部分のみが相当に擦り減ってしまっているのです。不思議なことに、あとは大して擦り減っていない…

 

こんな状態で、擦り減ったフレットに高さを合わせて擦り合わせするのは妙な気がするし、ちなみに擦り合わせの価格を調べると13.000円くらいする。

 

フレット全部打ち替える場合だと35,000円くらいして、そうまでして弾き続けるのはどうなんだろ?

 

5フレットと7フレットだけ交換できればいいんだけど、そういう作業は受け付けてくれるんでしょうか?

 

また、ボディーには、あちこちぶつけた傷もあるしで、売ったとしても幾らにもならないだろな・・・

 

おそらく、良くて2万円くらい、下手すりゃ1万円くらいかもしれないな。う〜ん、どうしたもんだろうか?

 

 

そこで「待てよ!スキャロップではなく、普通のネックを買って交換しちゃう手もあるぞ!そうなりゃ気分一新、今後も弾き続けられるかも?」と思い、Amazonで「Fender neck」と検索してみたら、↑写真の商品がヒットしました。

 

こいつは、Fender Mexico 純正 Vintage "U" Shape Maple Neck for Classic Series '70s Stratocaster 3点止め ネック交換用(並行輸入品)とのことで、32,600円と来た。

 

フレット全交換するのとほぼ同じ値段で、新品ネックが買えるわけなら、フレット交換なんて馬鹿馬鹿しい気がする・・・

 

ちなみに、自分のスキャロップ指板について。自分のはハーフ・スキャロップなので参考にならないかもですが、まず、フレットがジャンボでなく、通常の細いFenderのフレット。

 

正規の、ジャンボフレットで彫りの深いスキャロップ指板とは弾き心地がかなり異なるのではないか?と思われます。正規のイングヴェイ・モデル弾いたことないので、何とも言えませんが・・・

 

いろいろ考えた結果、スキャロップのストラト売るのは止めて「スキャロップではない通常のネックを購入し、それに交換して新たな気持ちで弾き続けよう」と思いました。

 

 

↑そして昨日「Fender Mexico 純正 Vintage "U" Shape Maple Neck for Classic Series '70s Stratocaster 3点止め ネック交換用(並行輸入品)」をAmazonに注文し、本日、手元に届きました。

 

 

↑梱包はシッカリされていて、箱には「Fender」とロゴが大きく入っていたので一安心?しました。

 

 

↑中には英文の「Neck Installation guide」が入っていましたが、長文で解読する気が起きませんでした。別に読まなくてもいいだろ?とネック交換開始!

 

 

↑「Neck Installation guide」の裏側は「1-YEAR LIMITED WARRANTY」で、これが保証書のようですが、並行輸入品って保証が効かないんじゃないんでしょうかね?

 

 

↑保証の件は置いといて、早速、現在付いているスキャロップのネックを外し、ボディのネック・ポケットを確認すると、御覧の通り、通常のストラトの4点止めとは異なる「3点止め」になっています。

 

1本独立したネジの側にレンチ用の穴が見えますが、ボディー裏からレンチを挿し、ネックに埋め込まれたイモネジを廻してネックの仕込み角度を調整するわけですね。

 

この機構「マイクロ・ティルト・アジャスト機構」は71年後期から82年初頭までのストラトに採用されていたとのことですが、この72製モデルはそれを再現してあるわけですね。

 

このマイクロ・ティルト機能は便利だとは思いますが、自分は購入時に一度試したきり、それ以降は使っていません。

 

 

次に、気になるネックのジョイント部を比較。左が今まで付いていたネック、右が購入したネックです。

 

購入したネックには、見たことも無い円形の金属プレートが付いていて、3点止めなのにネジ穴が4つ空いてるし「えぇ?どういうこと?」と冷や汗が出ました。

 

試しにボディに合わせてみると、丸い金属プレートの真ん中に空いている穴にボディーと接合するネジが入るようになっていて、一安心。自分のストラトに普通に接続できました。

 

でも、これってどういうこと?じゃあ、4つのネジ用の穴は、何やねん?と調べてみると・・・

 

マイクロ・ティルト・アジャスト機構は「70年代の後期には、通常の4点止めネックのモデルにも採用されたことがあった」とのことです。う〜ん、全く知りませんでした。

 

購入したネックは、3点止め用ではなく、その4点止めネック対応の物だと思われました。それにしては、下の2つの穴の位置がおかしいんですけどね・・・

 

 

それはともかく、今回買ったネックは、ネックに仕込まれたイモネジを廻すのではなく「円形の金属プレートを押し込む方式」になっています。

 

こんな方式は今まで見たことがなく、驚きました。ってか、こんな事はストラト弾きにとっちゃ常識で、それを自分が知らないで驚いてるだけなのかもしれません(恥)

 

 

次は、ペグの移植。右が購入したメキシコ製のネック。試しに6弦と5弦のペグだけ新しいネックへ仮移植してみました。

 

穴の大きさ(ペグ・ポストの直径)が違ったらどうしよう?と心配しましたが、杞憂でした。良かった・・・

 

しかし、こうして2つのヘッドを見比べると、同じラージ・ヘッドでもヘッドの形状が微妙に、いや、かなり違いますね。自分は、ラージ・ヘッドは全て同じ形状だと思ってました。

 

そして、更に驚愕の事実が判明。それは「ヘッド裏のペグ固定用の穴」である。う〜ん、問題だらけだ…

 

 

↑購入した右側のネックには、ペグ固定用のネジ穴が2列。つまり、2本のネジで固定するペグ用に穴が開けられているのです。

 

もう、呆れてしまいました。嫌になってしまいました。ってか、こういう事までちゃんと確認してから買うべきなんですよね・・・

 

 

こうなったら一度穴を全部塞ぎ、正しい位置に新たに穴を開けるしかないわけで、↑写真のように爪楊枝に木工用ボンドを塗って穴に差し込み(笑)トンカチで軽く叩いて爪楊枝を固定。暫くの間乾燥させることにしました。あぁ〜めんどくさ・・・

 

 

また、ネック裏の不要な穴(赤丸で囲んだ箇所)もヘッドと同様に爪楊枝に木工ボンドを塗って穴に差し込み、乾燥。ちくしょ〜、早くボディに組み込んで弾きたいのに〜! 

 

 

完全に乾いたのでニッパで爪楊枝を根元から切断。僅かに残った爪楊枝は、ヘッドを傷つけないようにカッターで削り取りました。

 

 

↑ようやく、元のFender Japanのネックに付いていたGOTOH製ペグを全て移植しました。

 

穴を塞いだ箇所は見れば判ってしまいますが、ヘッド裏を見ることはあまり無いし、これで良しとしましょう。やれやれ・・・

 

 

ちなみに、↑これは以前ハードオフで買った中国製Squireのヘッド裏ですが、ペグは2個のネジで止めるようになっていました。

 

今回買ったMexico製ネックには、それと同様の形式のペグが取り付けられる予定になっていたのでしょう。

 

 

↑次に、ネックとボディを接合しました。ネックのネジ穴が小さいのか、ネジを締め付けるのが大変でした。この事も、なんだか納得できない感じですね・・・

 

自分は、Fender Japanのネックのネジを流用したのですが、メキシコじゃ、それより一回り小さいネジを使ってるのかも?と思いました。ミリとインチの規格の違いなんでしょうか?

 

それはともかく、弦を張って、撮影。

 

 

Fender Japanのヘッドにはストリング・ガイドは1・2弦用しか付けておらず、しかも真っ黒に錆び付いていたので、パーツ取り用ストラト(ハードオフで買ったSquire)からストリング・ガイドを外し、3・4弦用も装着しました。

 

 

チューニング後、弦高を調整しようと思いましたが、その必要は無さそうな感じでした。

 

ネックのセンターズレも無いし、これでネック交換終了。ピカピカに光るフレットが美しい!

 

 

↑ネック交換前の写真と比べると、いかにスキャロップ指板(Scalloped Fingerboard:帆立貝のように加工した指板)が通常の指板より凹んでいるものか?が良く分かりますね。

 

自分は、スキャロップ指板は「ホタテ貝の貝殻みたいだから」とイギリス人から教えて貰った時には「嘘つけ!」と思ってしまいました(恥)

 

スキャロップを買う時に、ショップの店員さんは「これに慣れたら普通の指板に戻れないって言う人もいるみたいですよ」と言っていましたが、自分は普通の指板の方がいいです。(^_^;)

 

 

↑念のためネックを確認しましたが、反りは全く無く一直線。ここへ来て、ようやく嬉しさがこみ上げてきました(笑)

 

ま、新品なんで当たり前ですが、ネック単体を現物を見ずに通販で購入することは初めてだったので、不安だったのです。

 

 

ボディの方は、VOLUMEとTONEのコントロール・ノブが黄ばんでいるのが気になったので、交換しようと思い…

 

 

↑純正じゃないけど、買い置きがあったので…

 

 

↑装着。しかし、付けてから気づいたのだが、センターPUトーン・ノブの数字が他に比べて小さい。こりゃ、後で買いにいかねば。ま、いっか。

 

また、PUセレクタ取付用ネジとPG取付用ネジの頭が錆びているのが気になるので・・・

 

 

↑これまた買い置きのネジに交換することにしました。

 

 

↑ピックガード取付用ネジをピカピカの新品に交換したら、グッと使用感が減り、新品感が強まった感じです。

 

しかし、PU切り替えスイッチのネジの買い置きは無かったので、後日交換することにしました。

 

 

ってことで、断捨離しようと思っていたFender Japan ST72SCは、Fender Mexicoのネックを付けて生まれ変わりました。

 

これで、新たな気持ちで弾き続けて行けそうです。断捨離しなくて正解だったと思います。

 

また、メイプル・ネックの場合、自分はヴィンテージ風の焼けた感じの物より、こんな素の感じの方が好きだし、気に入りました。さて、弾きまくるとしますか。

 

 

↑今回、Amazonで購入した「Fender Mexico 純正 Vintage "U" Shape Maple Neck for Classic Series '70s Stratocaster 3点止め ネック交換用(並行輸入品)」ですが、商品名の最後の「並行輸入品」が気になって調べてみると・・・

 

並行輸入品とは「メーカーが認める正規輸入代理店以外を通じて国内に輸入された商品」という意味らしいです。

 

しかし、Amazon.co.jp が販売する並行輸入品はすべて「本物」で、契約した輸入業者により輸入されるようです。

 

並行輸入品は、正規代理店の商品に比べて価格が安い場合や、 国内未発売の商品を購入できる可能性があるとのことですが・・・

  • 一部の商品を除き、正規輸入代理店またはメーカーの保証や修理を受け付けて貰えない(独自の保証が付いている場合もあるようです) 
  • 製品のパッケージや説明書等が日本語の表記でない場合があります。
  • 仕入れルートの違いにより商品箱、装飾等に誤差が発生する場合があります。

上記のような制限が発生する場合があり、これらについてAmazon.co.jp ではサポートを受け付けていないとのこと。

 

ま、このネックは他じゃ手に入れることは出来なかったわけだし、とりあえず無事に交換できたから良しとしました。

 

 

↑今回は「70年代のマイクロ・ティルト・アジャスト機構付き3点止めネック」の機構には2種類あり、左側(72年モデル)と購入した右側(おそらく70年代後半のモデル)では違うことを知りました。

 

ま、自分の知識不足なわけですが、梱包を開けた時「なにこれ!違うじゃん!」とかなり驚き、慌ててしまいました(恥)

 

 

また、ペグ取付用の穴の問題。これに関しても「ええ?なんで穴が2個づつ開いてんの?」とかなり驚いてしまいましたが、これも自分の知識不足ですね(恥)

 

 

↑ネックを交換したストラトは、こんな感じの音です。プレイの方は、御愛嬌ということで(笑)

 

アンプはFender mustang 3(40W)で、CDに合わせて弾いてライン録りしました。

 

↓ちなみに、Amazon で Fender ストラト用のネックは何種類も販売されているようですが、35,000円以上します。35,000円出せば、新品でも中古でもそれなりのギターが買えるし、どうなんでしょうね。

 

ネック単体の購入の場合、自分のストラトにピッタリ合うか?が気になりますが、自分の経験から言えば、購入前にショップの店員さんに相談されるのが良いかもしれません。購入したのにピッタリ装着できなかったら、馬鹿馬鹿しいですからね・・・