ドイツで行われている、サッカーの女子ワールドカップで、地元ドイツを破る等快進撃を続けている、日本
代表・なでしこジャパンは、いよいよ、今から約2時間半後に行われる決勝戦で、世界ランク1位の強豪・アメリカ
代表と戦う。
個人競技でもチーム戦でも、短期決戦の場合は、驚くべきスピードで成長を続けながら頂点にまで勝ち上がって行くケースがある。
僕はこれ迄テレビ観戦で、その事実を、地方の小さな大会からオリンピックのような世界一決定戦まで、あらゆる競技で度々目撃してきた。
例えば、4年前の夏の甲子園では、公立の佐賀北高校が、強豪校を次々に撃破して、決勝では広島の広陵高校を相手に、劇的な逆転満塁ホームランで優勝したことが思い出される。
他にも、「今まで生きてきた中で、一番幸せです」の名台詞でも話題になった、パルセロナ・オリンピックの女子200m平泳ぎで金メダルを獲得した岩崎恭子(当時14歳)選手は、国内予選でもほぼノーマークの存在ながら、自己記録を更新して代表入りを果たし、オリンピック本番でも予選から自己記録をさらに伸ばし、決勝では、オリンピック新記録をマークして金メダルを獲得した。
僕は、彼等のように、かつて嬉しい番狂わせを演じた選手達と、今回のなでしこジャパンには、同じ匂いというか、頂点に立つ者だけが持つ独特の雰囲気というものを感じている。
それは何かというと、まず、大会前はダークホース的な存在だったチームが、実は急速に実力を上げている状態で試合に臨んでいたということ。
実際の試合を見ればわかる事だが、ボールコントロールの足捌きや、男子顔負けのパス回しは、なでしこジャパンが出場チームの中でも図抜けて上手い。
大会前の準備段階では、勝ちたいという気持ちで目標をもって練習を積み、力は格段に付けているのだが、優勝候補に挙がる程の実績がないため、勝たなければならないという変なプレッシャーもなく、その実力をいかんなく発揮できる状況があった。
そして、勝ち上がるたびに自信が生まれ、準決勝あたりからは、その自信が確信に変わった状態(どこかで聞いたような言い回しで申し訳ない)で、プレーしているように見える。
この雰囲気が、ダークホースが波に乗って頂点を極める時のパターンに共通していると、思えるのだ。
そして、この様に大会全体の流れまでも引き寄せた、佐々木則夫監督とキャプテン・沢穂希選手を中心とした、巧みな戦略・戦術こそ、なでしこ躍進の最大の理由だと思う。
例えば、チーム状態のピークを決勝トーナメント以降にピタリと合わせた、コンディショニングの素晴らしさが挙げられる。
大会前は、ダークホース的な評価でも、チームとしては相当の自信があったのだろう。
予選リーグの初戦・2戦目では、格下相手に貫録勝ち。
3戦目で骨っぽいイングランド戦になると、決して手を抜いたとは言わないが、既に決勝トーナメント進出が決まっていることもあり、体力温存と、手の内を見せない意図もあったのではないかという戦い方に見えた。
準々決勝からの2試合の内容は周知の通り、選手のコンディションも良く、監督の選手起用もズバズバと当たり、大会前から優勝目指して、対戦相手を丸裸にする程研究している本気度が窺える。
それだけじゃない、このチームは役割分担がはっきりしていて、それを冷静にこなせるだけのチームワークがある。
これは、記者会見での佐々木監督や、沢選手の発言からもはっきりと見て取れる。
記者会見での2人の発言を見ていると、対戦相手が格下と見られるときは、油断のないようにチームを引き締めるような発言をし、逆に準々決勝のドイツ戦や、これから行われる決勝のアメリカ戦の前には、チームを励まし、鼓舞するような発言を徹底している。
これは、チームスポーツのリーダーとしては、本来当たり前の事だが、実際には自らの気負いなどもあって、ここ迄完璧にこなせるものではない。
その意味で、完璧にチームを掌握している佐々木監督といい、ピッチの中を含めてプレーと精神面の両方で大黒柱である沢選手にしても、本当に大したリーダーだと思う。
他にも、勝ち進んで有頂天になっている若手を、ベテランの控え選手がたしなめるなど、チーム一丸で、良い雰囲気で戦っている事が、ニュースを通しても伝わってくる。
準備、実力、チームワーク、コンディショニング、そして大会全体の流れ、これらすべての要素が、なでしこジャパンの優勝を指している。
僕には、そう見える。
これから、2時間仮眠して、今日は生放送で試合を見る。
がんばれ!なでしこジャパン。
では、また。