昨日行われた、民主党の両院議員総会。
昨夜から今朝にかけてのニュース・情報番組を見て、さすがに、どん引きした。
自分の政党のボスに対して、面と向かって、あれだけあからさまに非難ができるものなのかねぇ。
菅首相も、ろくに説明もしないで途中退室するとは、どういうことなのか。
映像を見る限り、菅首相は、自民党から浜田和幸氏を一本釣りしたことへの説明が足りず、またもや唐突に、「エネルギー政策が次期・国政選挙の争点になる」と発言すると、噴出した批判の声に、十分に答えることなく途中退室したように見える。
これを、大多数のマスコミや評論家及び民主党内でも多くの議員が、「菅首相の逆襲が始まった、解散を盾に脅しをかけ始めた、いや、実際に解散を目論んでいるのではないか」と受け取ったというのだ。
発言を素直に受け止めれば、菅首相自らが提案した、再生可能エネルギー促進法の成立を図るために、野党をけん制したという程度にしか見えないのだが、そう受け止めた者の方が少数派ということらしい。
菅首相は先日の記者会見で、2つの法案及び2次補正予算の成立が、退陣の一定の目途となると発言している。
今国会の会期延長幅が70日に決まったことを合わせると、物理的に、遅くとも8月末には退陣することが明白になったといえる。
それにもかかわらず、未だに民主党内から、「退陣の時期を明確化せよ」との声が上がること自体、自民党の菅降ろし同様、何らかの意図があるとしか解釈できない。
原口一博氏等、質問に立った議員は、「辞めると決まっている菅首相が、次の国政選挙の争点について発言するのはおかしい」とか、浜田氏の一本釣り問題についても、「餌は、ポストか金(機密費)じゃないか」と詰め寄ったりと、まるで、予算委員会で野党の追及を受けているみたいだった。
当然、自民党が黙っている訳がなく、民主党のとの協議には当面応じないとの反応が出たが、そこで語られる内容(言葉)が、民主党議員が、菅首相に浴びせ掛けた内容と変らないのが皮肉だ。
最も奇妙に映ったのは、民主党の安住淳・国対委員長が、自民党の逢沢一郎・国対委員長との会談で、浜田氏の一本釣り問題について、「誠に遺憾で申し訳ない」と陳謝してしまったこと。
なんで、謝ってしまうのか、そんな事をするから、自民党に付け入るすきを与えるのではないのか?
更に、「(菅首相が)なれない刀を振り回すと、自分の体を傷つける」との発言もあり、そこまで言うのなら、自分が離党して、代りに自民党に入ればいいのにとさえ思ってしまう。
自民党は政権与党時代に、多数派工作の為に、野党議員の切り崩しを常套手段にしていたはずだ。
かつて自らが行っていた手法で、たった一人引き抜かれたくらいで、文句を言える立場ではない。
最近、参院・自民党は、旧態依然とした殻を破ろうとしているように見受けられるが、衆議院では、この混乱の中、長老といわれる大物議員達は、潜伏したまま全く表に出てこない。
自民党内で、実力(発言力)があるのに出てこないとなれば、これは、これで摩訶不思議な話しだ。
一方、民主党は、数多くの政党が離合集散を続けた結果、今の形になっている。
内閣不信任案に賛成する動きが表面化した時点で、一つのまとまった政党の体を成していないことが、あらためて露呈された。
さて、こんなご時世でも、民主党の松本龍・震災復興担当相の、「3月11日以来、私は民主も自民も公明も嫌いだ。(菅首相の退陣が)7月か8月になるか分からないが、このチーム(被災者支援チーム)は右顧左眄(うこさべん=周囲の状況ばかり気にして、自分の態度をなかなか決断しないこと)しない」との発言や、自民党・河野太郎議員の、「原発は、十分な安全確認ができてから再稼働し、およそ40年といわれる耐用年数が来たものから徐々に廃炉にしていき、最終的にはすべてなくすべき」という趣旨の発言など、骨っぽいことを言う政治家もいる。
他の人がどう感じるのかは分からないが、2人のこの発言は、パフォーマンスには見えなかった。
だけど、こういうのって、少数派なんだよなぁ。
菅首相の復旧・復興に対する取り組みが、十分であるとは決して言えない。
だが、異様にしか見えない、与野党双方からの鳴り止まない菅降ろしの大合唱には、違和感しか感じない。
なぜ菅首相では駄目なのかについて、能力がないからだとか、辞めると言ったレイムダックだからなどと、具体性に欠ける理由しか言わず、対案を誰も語らず、ポスト菅にだれも名乗りを上げないのはなぜか。
与野党の国会議員さん達は、菅降ろしを叫ぶことで名前と顔と政策を売って、もしかしたらあるかもしれない解散総選挙に備えているのではありませんか?
そう解釈しなければ、菅首相の言動に、いちいち反応し、とにかく何でも批判するのに、自分ならどうするという具体案が一切出てこないことが説明できません。
それとも、電力利権絡みであることをカムフラージュする為に、反原発に舵を切りつつある菅首相を、スケープゴートにするしかないのですか?
復旧・復興が、遅々として進まない中で、これから夏場を迎える被災地は、想像を超える困難が降りかかることになる。
少し極端かもしれないが、今の政治情勢は、世が世ならクーデターが起こってもおかしくないような状況だと思う。
被災者等の国民感情と永田町の理論には、そのぐらいのズレがある。
昨日の、民主党の両院議員総会も、それを受けての与野党の反応も、全てが総選挙を意識した、意図的なパフォーマンスにしか見えない。
これが、僕の偽らざる実感だ。
では、また。