現場の作業員を舐めるな! | stockracerの雑記録

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 5月30日、事故収束に向けた作業が続く福島第一原発で、東京電力の社員2人が、緊急時の上限である250ミリシーベルトを超える被曝量となった可能性が高いと発表された。

一部報道では、この2人は、マスクを外して作業をしていたとも言われており、内部被曝くの疑いも指摘されている。

政府や東電の指揮管理体制の不備で、また現場の作業員が犠牲になった。

何度も繰り返される、被曝事故。

それ以前に、科学的・医学的根拠のない、被曝線量の上限の度重なる修正。

いやとは言えない状況で、命を削って頑張っている彼等に対して、申し訳ないと思わないのだろうか。


 以下は、25年程前の、アルバイト体験。

僕自身が経験上感じたことであり、全て事実だ。


 ある家電製品の製造工場。

初日は、金属製の部品の加工・研磨の作業。

だが、直ぐに身体に異変が起きた。

金属の粉が粉塵となり、小児喘息にかかって以来気管支の弱かった僕は、咳が止まらなくなりマスクの着用を求めたが、「そんなものはない」と一蹴された。

次の日は、接着及び組み立ての作業。

今度は、接着剤に含まれる、揮発性の有機溶剤の匂いで気分が悪くなった。

ベテランのおっちゃんに、こんなものを吸わされて、おかしくなりませんかと聞くと、「わし等は、もう鼻に付いてるから、何も感じんわ」と答え、直ぐに作業に戻ってしまった。

結局、2日とも、自宅に戻ってからも体調不良が続き、粉塵や有機溶剤の悪影響も考慮して、早々に辞めざるを得なかった。


 別の機会、プラスチック製品の加工会社。

任されたのは、当時としても旧式で、気をつけないと指を巻き込まれそうな機械。

安全装置すらなさそうだったので、パートのおじさんに、これ危なくないですかと聞くと、「別に、気にならんよ。俺も指を挟んだけど、もう固まったしな」といって、一度砕けてから固まった為、第一関節が曲がらなくなった、右手の人差し指を見せてくれた。

直ぐにでも逃げ出したくなったが、指示には逆らえないし、代わりの作業員もいなかったので、なんとかその日だけは作業をこなし、終業時間が来るなり、事務所に赴いて退職の手続きを取った。


 機械部品の製造工場。

金属の長い棒から、部品を削り出す機械の担当。

大量の金属の粉と機械油を、素手で扱わなければならなかった。

ゴム手袋はないのかと聞くと、「機械に巻き込まれるからだめだ」との答え。

理解に苦しむが、逆らえなかった。

結局、金属の粉が棘として刺さるのに耐えながら、3ヶ月続けたが、機械油のアレルギーでじんましんにかかり、医者の助言で退職した。


 僕のこの経験は若い頃の話で、本業ではなくアルバイトだったことや、3か所全てで体調に係る問題があったことから、素早く辞める決断をしたが、これがもし30代以上の年齢なら、辞められなかったかもしれない。


 僕は、上記の経験があったので、福島原発の作業現場で、被曝線量が基準値を超えたという話を聞くたびに、複雑な心境になる。

あらゆる現場の作業員の人は、僕のように、相手が上司や現場監督であっても、おかしなことがあれば食って掛かるようなタイプは少数派で、指示に従って黙々と作業をこなすような人が多い。

又、作業上の危険に対しても想像以上に無頓着だ。

道具や機械で怪我をすることや、薬品や粉塵で体調を崩すことについても、危険度を意識している人は少なく、よほど自覚症状が強く出ない限りは、仕事なんだから当然我慢すべきだと考える人が多い。

だから、労災の申請だとか、損害賠償の請求といった話にはなかなかならないし、怪我をした自分が悪い、病気になった自分が弱いと思ってしまうようだ。

この傾向は、高齢の労働者や、規模の小さい事業所であるほど強い。

その意味で、被曝を覚悟で行わなければならない原発での作業に、もし、詳しい説明を聞かされずに、どのような危険があるのかを認識していない作業員が、普段の作業と同じ感覚で従事させられているとしたら、これほど恐ろしいことはない。

震災で今まで以上に経営状態が苦しくなっている、下請け・孫請けの事業所の作業員が、足元を見られて、この様な扱いを受けているとしたら、人権問題だと言ってもいいのではないか?

実際、日雇いで仙台に行くはずだった作業員が、福島原発で作業をさせられて問題になったり、心筋梗塞で亡くなった作業員が、防護服を脱いで作業をしていたとの、一部報道もある。

昨日の東電の2人にしても、本社勤務ではないわなぁ?


今日書いてきた内容は、あくまでも僕の経験から感じていることで、裏を取ったわけではない。

しかし、なぜか、確証めいたものがある。

今更言うまでも無く、東電は、もっと作業員を大事にしなければならない。

あまり、ふざけた扱いをしていると、「窮鼠猫を噛む」ってこともありますよ。

「そして、誰もいなくなった」なんてことになったら、どうするんですか?


 では、また。