昔、資格試験で小論文作成の勉強をしていた時です。問題によって自分が詳しい分野もあれば、あまり詳しくない分野もありました。普通に考えれば、詳しい分野の方が書きやすいだろうと思うのですが、実際やってみるとあまり詳しくない分野の方が書きやすかった覚えがあります。
なぜそういうことが起きるのかと言うと、詳しくない分野は書けることが少ないので、自ずと書く内容が絞られ結構スムーズに書けるのです。書ける文章の量も知っていることだけでは少なくなってしまうので、多少は想像も入れて文章の量を増やしていました。
逆に詳しい分野だと、あれもこれも書きたいとなってしまう、そこから文章構成をどうしようかと考えてしまいなかなか書き始められない、書いている途中で知っている知識を詰め込みすぎて文章構成がおかしくなる、時間が迫ってむりやり結論を書いてしまうなど、結構大変な思いをしました。
少し前に、最近のプロ野球選手は頭でっかちになりすぎていると聞いたことがあります。野球に関わる機材や情報分析が発達して、多方面から選手の能力や動きなどを解析できるようになっています。そうなると選手が得られる情報も膨大な量になります。しかし人間の能力がその発達についていっているかというとそうでもないでしょう。50年前と現在の機械の性能の差はすさまじいものがあるでしょうが、人間の能力はほとんど差はないでしょう。情報に踊らされている面があることは否定できないと思います。
様々な情報があふれている昨今、情報の取捨選択能力はますます必要になってきています。溢れるくらいある情報をすべて処理するのは現実的でないし、能力オーバーになってしまうと思います。今の自分に必要なものを絞り、それに合う情報を取捨選択して役立てていくことが大切です。あまりに多い情報を与えてしまうと、自分を見失って長所が無くなってしまうこともあるでしょう。情報を与える側も、相手を見ながら与えるものを取捨選択することも大切です。