hulu で『テンペスト』を見ました。
原作が面白かったので期待して見たのですが、設定を借りただけで、原作とは別の話ですね。もちろん、シェイクスピアではなく、池上永一のほうです。
GACKT の演じた清の怪人・徐丁垓のエピソードなんて、さすがにテレビではムリでしょう。
原作はこちら。
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内容は、とにかく徹頭徹尾仲間由紀恵、というドラマでした。
官吏としての男装も美しく、まして、紅型をはおり、沖縄の伝統的な髪に結った姿はまことにけっこう。
いま出演している『花子とアン』の蓮子役もそうですが、美しすぎてあまり現実感のないタイプなので、こういうケレン味たっぷりというか、極端な役柄が似合います。
演技だけでなく、歌い、踊り、殺陣もあり、と、まさに獅子奮迅の働き。
格闘シーンの動きがとろいとかはご愛嬌ですが、一点とても残念だったのが、琉歌がヘタだったこと。
これは、共演の谷原章介も同じなのですが、薩摩の侍なので、上手じゃなくても、とくにおかしくはありません。
わたしも別に本物をよく知っているわけではありませんが、劇中に本物の琉舞が出てくるのを見ると、その安定感というか、すばらしさは素人目にも明らかです。それに較べて、急造の役者さんのほうは聞いてて力が抜けるというか、ふたりの出会いと再会のだいじなシーンなのに、興ざめでした。
聞得大君役の高岡早紀も、原作の味をよく出していて、いい演技だったのですが、祈祷のシーンでの節回しがなんとも微妙に気持ち悪く、これもちょっと残念でした。
俳優が役になるために、さまざまな技術を身に付ける努力はすばらしいと思いますが、別にかくし芸大会ではないのですから、なにもかも本人にやらせなくても、適当に吹き替えをいれたほうが、物語としては締まったのではないでしょうか。
仲間由紀恵も沖縄出身ですが、すべて標準語で演じていました。主要な役もほとんどそうだったのですが、中に沖縄のアクセントが明らかな俳優さんたちがいるのが、ドラマに精彩を添えていました。
これがなければ、もっと軽い感じになっていたでしょう。
オバアと多嘉良のおじさん、とてもよかったです。