通常国会に提出された、非正規労働者の社会保険への加入拡大法案。

①賃金が年収80万以上
②企業規模 300人以上
③週20時間以上の労働時間


この3つの要件を満たすものが、加入拡大の対象となる案です。

冗談じゃないです!

やっていけない、企業がたくさんあるに決っています。

企業なくして、雇用もないし、経済発展もありません。

今でも、社会保険料の分、赤字になっている会社がたくさんあります。


本当に他に手がないのでしょうか?


私は、ある制度に大きな疑問を持っています。

それは、以前のブログでも少し触れた、「選択制確定拠出年金」。

通常の「確定拠出年金」は、通常の給与とは別に、会社が従業員の退職後のために毎月拠出します。

それにあわせて、従業員も拠出できるのが、いわゆる「マッチング拠出」です。

しかし、この「選択制確定拠出年金」は、それらとは違って、給与を減額して、それを確定拠出の財源に回すというもの。

もちろん、会社が一方的に導入できるものではなく、拠出するかどうかは従業員に選択権があります。


これを導入するとどうなるか。

まず、会社側からすると、給与を削って確定拠出年金の掛金に回すことで、社会保険料を削減できることになります。

社会保険料の対象となる報酬月額自体が減るからです。


選択した従業員からすると、給料が減る分、やはり社会保険料の削減ができます。

税金上もメリットがあります。

(選択しなかった従業員からすると、これまでの月例給与の金額の金額の中に前払い退職金が含まれることになります。)

一方、報酬月額が減りますので、将来受給できる厚生年金が減ります。

さらに、残業の割増の基礎額が減額され、労災の休業補償や健康保険の傷病手当金等目減りするものもあります。

なので、従業員にとっては、本当にメリットかどうか微妙なものなのです。


ただ、社会保険料の負担に悩む会社としては大きなメリットがありますので、導入の検討をするところが増えています。



でもこれって、今政府が、社会保険料の徴収の拡大を目指している中、まったく矛盾するものです。

この「選択制確定拠出年金」の制度は、今のままでいいのでしょうか。

結局、国会の社会保険料の加入拡大法案は、DCとか関係ない、パート従業員に多くを依存している中小企業に特に大きな負担を強いている気がします。



阪神淡路や東北大震災では、大変な災害にあっても規律を守る日本人に、海外から大きな賞賛をいただきました。

今月のイタリアの客船の事故や昨年の中国の高速鉄道事故の対応を見るにつけ、私も改めて実感しました。

大変な目にあっても、苦しい状況にあっても、真面目に頑張る日本人は本当に素晴らしいです。。

一生懸命真面目に頑張る会社や従業員が、バカを見るような日本にならないように、願わずにおれません。


わが国の殆どが中小企業です。。。







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