昨日行なわれた、「第2回職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」 のワーキング・グループ資料が公開されました。


厚労省の「平成22年度 脳・心臓疾患および精神障害などの労災補償状況まとめ 」によると、対人関係のトラブルをその原因している件数が急増しています。
「表2-8 精神障害等の出来事別決定及び支給決定件数一覧」 参照



ただ、この「いじめ・嫌がらせ」については、客観的に認められるものもあれば、取り手の気持ちの問題が大きい部分もあり、難しい問題です。


私の周りでも、首を捻りたくなる事例があります。

無断欠席が続いた1年目の社員に対し、上司が始末書を提出するよう求めたものの社員はそれを無視。
執拗に求めたら、それを”いじめ”だと社員は労基署に駆け込もうとした。

会議の場では何も発言せず、そこで決められたことを守ろうとしようとしない社員に対し、上司が協調性がないと注意したところ、”いじめ”だと騒ぎ出した。

またその逆のケースも。
女性ばかりの職場で、ある社員に対し周りの先輩社員から”いじめ”があることに気づいた上司が、現場のリーダー的な存在の女性に聞き正すと、「彼女は協調性が無いから」と”いじめ”であることを否定する。



言わずもがな、職場は労務を提供とするところです。

会社がお金を払って人間性を育む場では本来ありません。

ところが、労基署なんかには、少し理不尽じゃないの?という事例はヤマほどあると聞きます。



もちろん、会社(先輩社員)に問題があると思われるものもあります。

入社して1ケ月の社員に対し、職場の先輩は、面と向かってこうはき捨てたそうです。

「もう仕事すんな。迷惑や。福島に行ってボランティアしてこいや。」


判例でも、職場の先輩による業務外の使い走り、嫌がらせ、暴言等を不法行為と断定するとともに、3年近く防止対策を採らなかった会社側の安全配慮義務違反を認めた例もあります。


”いじめ”とりわけ”パワハラ”は、業務上の指導との線引きが困難であったり、事実確認の難しさがネックとなり、適切な対応がとりにくい実状があります。

そのため、逆に管理職が弱腰になると、その後の業務指導に支障をきたし、企業秩序に影響を及ぼすことも想定できる話です。


この円卓会議では、24年1月までに「論点整理」を提示し、3月までに「職場のいじめ・嫌がらせ問題の防止等に向けた提言」(仮称)を公表する予定とのこと。

公表されれば、そのあたりの一つの指針になると思われます。


でも私は、会社の目的とするところを社員全員で共有できず、またコミュニケーションの不足、十分な教育がされていない等で、社員(本人)が”いじめ”と誤解しているケースが多いように感じます。


でも、それも言ってしまえば会社側の責任もありますよね。


会社側の採用の責任、教育責任を横に置いといて、問題社員と言い張る会社も、正直、どうよ??という思いがします。



でも、まぁ厚労省が、こういった円卓会議をすること自体が、今の世風を表しているような気がしますね。。





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