4日に死去した元日本代表DF松田直樹選手の通夜が8日、群馬県桐生市の斎場で行われました。

個人的に思い出深いのはアトランタ五輪のチームでした。

まだ携帯電話やインターネットが普及していない時代。

あの日本・ブラジル戦は平日でした。

仕事中の私の職場に突然、自宅からの電話。

ベベットのいたブラジルを0点に抑えて日本が勝った!という電話でした。

いやいや、別に報告してくれと頼んでいた訳ではありません。

周りの社員の手前、一応、少し大きな声で、「そんなことで電話してくるな!」と言ったのを思い出します。

でも、内心は嬉しくてドキドキしていたので、声は上ずっていたかもしれません。(笑)

その日の晩はスポーツニュースに釘付けでしたネ。

その後の文藝春秋のNumber誌に掲載された、金子達仁氏のアトランタ日本代表チームのルポ「断層」にも衝撃を受けました。



年齢も若い、トップアスリートの突然の死。

予兆もなかったと聞きます。

おそらくは同世代の一般の社会人よりずっと、健康にも気を配ってたはず。



会社においては、「若いから多少の無理は大丈夫だろう」と、過度の労働を課すことがあるかもしれません。

でも、それで、万一のことがあれば、会社は安全配慮義務違反が問われることも当然にあります。

26歳の工場労働者が業務中亡くなった「KYOWA事件」(平18.6.15大分地判)では、死亡原因は医学上明らかではなかったものの、死亡前1ケ月は約332時間の労働をしていた事実等から、会社側の安全配慮義務違反を認め、会社に対し約9500万円の支払いを命じました。

会社は、その労働者が若く健康であったため予見できなかったとし、また同僚も心筋梗塞等に罹患していないことを主張しましたが、裁判所は会社が休息日や休憩時間の確保を怠ったことが原因と判断したのです。

ちなみに、発症当日、上司はその労働者に水分補給を促していたそうですが、それも事実関係が明らかではないとされ、過失相殺も認めませんでした。

会社側の言い分によると、水分補給を促された労働者は「もうすぐビールじゃないですか」と言ったとのこと。

そしてその後に悲劇・・・。

それが事実だとすれば、会社からすると、「まさか・・!」という心境かもしれません。

過重労働の事実があるのなら、「若いから・・、健康のはずだから・・・」という見方は、何の言い訳にもならないのです。

まだまだ暑い日が続きます。

電力会社は節電を訴えていますが、熱中症対策をはじめ、職場の健康管理は会社の責任です。

特に上司、ラインのケアが大切となります。

若い社員であっても当然に健康に気を配ってください。

(節電なんかよりも大事です!)



松田選手には、過重労働は当てはまらないでしょうが、昨年のマリノスからの戦力外通告からの一連の出来事には、心理的な負担があったことは推察できます。

元々、情に厚い熱血漢。

気持ちを前面に出すプレイスタイル。


きっとずっと忘れない選手だと思います。

心からご冥福をお祈りいたします。



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