さあ5月です。

今日、5月1日は、メーデーですよね。

メーデーは、アメリカ・シカゴの労働組合が、8時間労働制を要求する統一ストライキを行ったのが起源とされています。

さて、この8時間労働。

一説によると、1日のうち8時間は睡眠時間として、残る16時間の半分の時間までなら、使用者が労働者から奪っていい時間であり、それが結果的に8時間と聞いたことがあります。

日本の労働基準法でも、1日の労働時間は8時間までと決められていますよね。


思うに、労働時間を国の法律で制限する目的には、次のようなものがあげられます。

①安全面の配慮
 労働時間があまり長いと疲労でミスが多くなり、事故の発生する確率が増えることが予想される
②会社間の不当な競争の防止
 フェアな企業間の競争を維持する
③生産性の維持と向上
 休むことで次の日の英気を養うことで、生産性を維持、向上させる

逆にいうと、1日8時間は、労働者は職務に専念しなければならないということであり、労働者にも仕事のメリハリが当然に要求されるのです。

そして労働者が8時間は職務に専念することを前提として、使用者はそれ以上の残業はさせてはならない、というお互いの信義則が存在するのです。

だからこそ、会社は就業規則で服務規程を定め、社内のルールを整備し、逆に従業員の安全と健康を守り、また真面目な従業員を不良従業員から守っているともいえます。


しかし、企業活動は山あり谷あり。

仕事が多いときもあれば少ないときもあります。

そこで、日本の労働基準法には堂々とした抜け道があります。

それが「三六協定」です。

三六協定を労使間で締結し、労基署に提出すれば、そこで明文化した残業や休日出勤は認められます。


この三六協定を締結しないで、残業させたら違法行為となります。

ちなみに三六協定は締結しただけでは有効ではなく、必ず労基署に提出し、さらに提出した日以降が有効となるのです。


その昔労働者がアメリカで勝ち取った8時間労働制は、海を越えて日本の法律となりましたが、日本では三六協定が当たり前のように広く浸透しました。

ただ、使用者も労働者もそれが当たり前のようになってはならないと思うのです。

労働者は限られた時間を集中して精勤するよう努めること。

使用者は無理な残業をさせないよう努力すること。

もしくは無理な残業をさせたときには、ご苦労さまと思う気持ちを持つこと。



メーデー自体の存在感が薄くなってきている気がしますが、私は、この1年に1回のメーデーが、本来の労使間の信義則を考える機会になればいいなと思うのです。


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