全国各地の児童養護施設へ「伊達直人」による寄付が相次ぎ、その差出人の名前と行動から「タイガーマスク運動」と呼ばれているようです。

少し余裕がある人が、困っている人を助ける。
少し余裕があるときに、困った時に備えて保険をかける。

国の社会保障の考え方は、国民の相互扶助にあります。
健康保険制度しかり、公的年金制度しかり。

健康保険では、健康保険料を国民が納付し、医療を受ける人が保険給付を受けます。
もちろん、保険給付を受けるのが自分自身ということも当然にあります。
公的年金についてはさらに、世代間扶養の考え方や、低所得者の保険料軽減や給付面で所得再分配という機能があります。

国や地方自治体は、社会保障を制度化し国民の理解をえながら、それをプラスαとする国庫等の補助を行ってしっかり運用し、信頼されるべく制度を維持していくことが役目です。
したがって、社会保障は決して、国や地方自治体がよきに計らってくれるものではないのです。
まず、国民の相互扶助の精神ありきといってもいいのかもしれません。


名前を伏せて寄付をされる全国の「伊達直人」さんには、本当に心が温まる思いです。
その奥ゆかしさには、ある意味で日本人らしさを感じます。

しかし、その一方で、年金を納付できる経済状況にありながら、年金の納付を拒否する方が残念ながら相当数存在するのも、また日本の現実の姿です。

当然景気の影響は大きいでしょうが、国民年金保険料の納付率は、年々下がり、今や60%を切っています。
http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010011401000524.html

不景気の影響、国や年金制度への不信等、いろいろあるでしょう。

また年金保険料を納めることは国民の義務なのですが、納めなかったとしても明確な罰則はありません。

保険料未納問題の解決策として、保険料ではなく、税金と一元的に考えようという、「保険料方式」に対して「税方式」という意見も出てきています。

税金なら、無条件に・・ということになりますが、それはそれで課題も多いはずです。


国民年金保険は、老齢というリスクに備えた保険。
日本年金機構のパンフレットによると、生涯の年金額は支払った保険料の1.7倍であり、決して損しない魅力的な制度であるとうたわれています。
保険としてみても、本当はお得な制度なのです。

世界に類を見ない高齢社会を迎える日本。
今後の世界のモデルケースとなるでしょう。
世界に恥ずかしくない日本であってほしいと思わずにはいられません。


さて、タイガーマスクといえば、初代の佐山聡さんの衝撃的な登場に心を躍らせたことを思い出します。
まるで漫画そのままのスピード感、空中戦。そして、猪木のエッセンスも漂うストロングスタイル。

でも子供ごころに感動したのは、そのレスリングスタイルそのものより、漫画から飛び出てきた「タイガーマスク」が何か夢を運んでくれたような気がしたからだと思います。

そして、今回の一連のタイガーマスク運動も、何か大切なものを運んでくれたような気がしています。


http://www.roumusupport.jp