夢ある｢希望退職｣を

日航がついに整理解雇に動き出しました。

数度にわたる希望退職募集を行いましたが、職種別に設定した目標数字に対し応募者の数が満たなかったとのことです。
「公的支援を受けながら人員削減が完遂できないようでは世間の理解が得られない」という日航幹部の声も聞こえ、状況は複雑です。


整理解雇に至るには、こういった希望退職や退職勧奨といったプロセスが必要とされます。

しかし、この希望退職も簡単ではありません。
日航のように応募者が予定数より少ない事態が起こりうる他、別の問題も生じることがあります。

希望退職には、一時金や退職金の割り増しといった早期退職の優遇制度を設けますが、これを機会に、会社にとって必要で優秀な人材が流出する事態が起きてしまいがちなのです。

優秀な人材であるがゆえに、会社の将来に見切りをつけるのが早いといえるのかもしれません。


希望退職募集は、あくまで申し込みの誘引であり、それを受けて労働者からの自由意志による申し込みがあります。

但し、そこで使用者は承認の義務があるわけではありません。

あくまで、使用者の承認があってこそ、退職の合意に至ります。

しかしながら、そこでもめるより、事前に個人的な慰留を行う、｢逆肩たたき｣や、希望退職制度通達の際に、応募に対して会社の個別承諾が前提である旨を明示しておくことが必要だと思います。

慎重に進めないと、過去には、19名の早期退職募集に対し16名を会社が慰留したことで、それが裁判で争われたというドタバタもありました。


先日、大阪空港に行った時に便数が減っただけではなく、大きな飛行機も少なくなって寂しくなった感がありました。

それでも、あの飛行機が滑走路から飛び立つときを見ると、何ともいえない爽快感があります。

やはり大空に羽ばたく飛行機には｢夢｣がありますよね。


日航には、希望退職をされる方々の｢夢｣を大切に受け継いで、どうか結実させてほしいと思います。