例の尖閣諸島のビデオ流出ですが、国家公務員法(守秘義務)違反の疑い、また映像を保管先から不正に持ち出せば窃盗罪、映像を保管したパソコンに不正に侵入して流出させれば不正アクセス禁止法違反に問われる可能性があるようです。

ただ、「公益通報」ではないのか、と言う声がチラホラとあるようですね。

公益通報ということになれば、通報者は守られることになります。

労働問題の判例では、この公益通報って、結構出てくるんですよね。

ちなみに、「公益通報」とは、公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効等並びに公益通報に関し事業者及び行政機関がとるべき措置を定めることにより、公益通報者の保護を図るというものです。
(公益通報者保護法の目的条文より抜粋)

http://law.e-gov.go.jp/announce/H16HO122.html


労働者が、自分の事業主の不法行為の発生または拡大を防止するために通報するといった、あくまで公益性といったところが要求されます。


その要件はこんな感じです。

 1.労働者が行うものである

 2.不正の目的でないこと

 3.労務の提供先の事業者等において生じた内容であること

 4.通報対象事実が生じ、またはまさに生じようとしていること

 5.労務の提供先、監督官庁、その他の通報必要者に通報すること(通報先が適正なこと)

さらに、その通報先への告発の手段・方法が相当であるかどうかは、どこの機関に通報したかで、要件が変わります。

①社内通報窓口に対する公益通報:労働者が通報対象事実が生じ、またはまさに生じようとしている思料する場合

②行政機関に対する公益通報:通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由がある場合

③その他第3者機関(その者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者に対する公益通報):
通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由があり、かつ、次のいずれかに該当する場合
(中略)ホ 個人の生命又は身体に危害が発生し、又は発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相当の理由がある場合

ややこしくてすいません。

つまるところ(笑)、内部通報されないような、後ろめたいことがないことと、事業主と従業員の間の意識のズレ(誤解)がおきていなければ問題ないことですよね!

今回のビデオの件について、どうなるのかわかりませんが、私は一介の社労士なので、このビデオのことに首を突っ込むのはもう止めます。

私の仕事は、労働に関するトラブルが起きないように、事業主と従業員を守ることですから!!(^_^)/