厚生労働省は、平成22年7月1日より雇用調整助成金不正受給防止対策【第2弾】を
実施することを発表しました。

雇用調整助成金、中小企業緊急雇用安定助成金は、売上減等の事業所において
従業員を休業させる場合に、その休業手当の一定の割合を助成するというものです。

ところが、逆手にとって、普通に勤務させたにもかかわらず、休業させたとして、その
助成金を不正に申請する悪質な事案があるとされ、このような対策が厚生労働省
より発表されたのです。


その発表資料によると、「実地調査の強化」「効果的な立入検査の徹底」を行うとして
います。

具体的には「実地調査の強化」として、これまでも実施している都道府県労働局が
不正受給防止のための実地調査等を、次に該当する事業所については、必ず実地
調査を行うとしています。

(1) 事業主が自ら実施する事業所内訓練の実施日数が多い事業所
(2) ある程度業務量があると推察されるにもかかわらず休業の実施日数が多い事業所
(3) 休業等を実施する一方で合理的な理由なく雇用する労働者数が増加している事業所

また「効果的な立入検査の徹底」は、不正が疑われる事業所について、都道府県
労働局が立入検査を行っていますが、厚生労働省において効果的な立入検査の
ノウハウを収集・分析し、立入検査担当者にその成果を研修することにより、全国
でより効果的な立入検査の実施を徹底するとしています。

厚生労働省は、架空の休業や教育訓練を実施したとして虚偽の申請を行ったこと
などにより、平成21年度の間に、91事業所、約7億355万円(平成 22年3月30日に
報道記者発表した52事業所、約1億9,350万円を含む。)を不正として処分し、悪質
な事案については刑事告発を行っています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000007emy.html

今回第2弾となっていますが、ちなみに、先に発表された防止策は、「休業等を実施
した労働者の一部に対して、電話によるヒアリングを行う」等といったものでした。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000005bx0-img/2r98520000005byi.pdf

今回は、これをさらに強化する形です。


一部の不正により、全体の助成金が縮小されることがあったりすると、真面目で本当
に困っている事業主や従業員の方は、たまったものではありません。