全国後期高齢者医療広域連合協議会は9日、新制度を都道府県が運営するよう、厚生労働省に要望書を提出した。

(2010/6/9  日本経済新聞)

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広域連合は同じ都道府県内の市町村が集まって構成している組織なのですが、確かにわかりにくいですよね。

簡単に確認しておくと、後期高齢者医療広域連合というのは、75歳以上のすべての方が加入する医療保険の保険者です。平成20年4月からスタートしました。


この広域連合の方で、保険料の決定や医療給付の事務を運営しています。

今回、このニュースでは、広域連合が、当道府県に運営してもらいましょう、って提案したことを報道しているのです。


実は、2週間前くらい、私もお客さまから、高齢のお母様の後期高齢者医療の保険料のことで質問を受けて、初めて大阪の後期高齢者医療広域連合に電話したのですが、応対はすごく親切でした。


ただ、この運用そのものも市町村との連携が必要だったり複雑で、運用を見直して、都道府県主体にするよう、要望が出るのもわからなくはないです。


せっかくなので、その時調べた、後期高齢者医療保険の保険料の算出方法とその徴収の仕組みについてご紹介させていただきます。

(大阪広域連合の場合です)


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<保険料算出の方法>

1.まず後期高齢者医療保険の保険料を、各都道府県単位にある後期高齢者医療広域連合にて、被保険者一人ひとりに対して保険料を算定します。


各被保険者の保険料の内訳は、被保険者の所得に応じて負担する所得割額(①:応能分)と、被保険者全員が等しく負担する被保険者均等割額(②:応益分)の合計となります。


    ①所得割額 = 本人所得×9.34%(所得割率)

    ②被保険者均等割額 = 49,036円

     (但し被保険者均等割額は、世帯収入を反映し、対象なら一定の減額を行います)


  ∴ 所得割額①+被保険者均等割額② → 保険料年額


   http://www.kouikirengo-osaka.jp/longlife/insurance.html


<徴収の方法>

2.一人ひとりに対して算定した保険料を、広域連合から市町村に連絡し、市町村に徴収を依頼するのです。

ここで、徴収のやり方が大きく2つに分かれます。年金からの源泉徴収と普通徴収です。


実は、市町村は、元々介護保険の保険者なのです。

市町村では、介護保険の保険料を原則、年金受給額が年額18万円以上であれば、年金から源泉徴収する仕組みがありました。

そこに、後期高齢者の保険料もあわせて徴収することになったわけです。


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しかし、後期高齢者医療保険料と介護保険料とを合せた保険料額が年金受給額の2分の1を超える場合は、介護保険料のみを年金から源泉徴収し、後期高齢者医療制度の保険料は、市町村にて普通徴収の手続き(納入通知書送付)をすることになっています。

当然、ここには年金機構との連携も絡みます。


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このように、運用そのものも、広域連合やら市町村やら年金機構やら、入り組んでいて連携が複雑になってしまい、わかりにくいものになっています。
ましてや、この医療制度そのものが、おじいちゃん、おばあちゃん相手のものなので、もっとシンプルに地域密着型のサービスを提供できた方がいいのかもしれませんネ。


制度そのものは、よく考えられたものだとは思うのですが・・・。