S会社の女性社員(休職中)が、上司の男性からセクハラを受けたとして、男性と同社に660万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が神戸地裁柏原支部であった。

 裁判官は「立場を利用し、女性に不快な行為をし、精神的苦痛を与えた」とし、同社の使用者責任も認めて男性と同社に110万円の賠償を命じた。


(2010年5月31日21時01分 読売新聞より部分抜粋)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100531-OYT1T00910.htm
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セクハラ・パワハラで訴えられたら、もちろん状況にもよりますが、まず会社側が負けることが多いようです。

会社側に起きるマイナスの影響を考えてみましょう。

・コミュニケーション、人間関係の崩壊
・社員のモチベーションの低下
・人材の流出
・社会的な信用の失墜
・対応にかかる莫大な時間とコスト
・本来の業務への影響
・取引先からの取引停止等の損害の発生・・・等々


会社にとってはとんでもないロスが発生することになります。
悪質なセクハラで、何も対策を打ってない体力のない中小企業であれば、本業が継続できるか、なんて深刻な問題まで発展するかもしれません。

そうなると、他の真面目な従業員やその家族の生活まで影響してしまいます。

今までの必死の営業努力が、そんなことで水の泡に帰する、なんてことになったら、バカげていると思いませんか?



今更ながらではありますが、だからハラスメント対策は重要なのです。


実は、この裁判では、被害者である女性は「会社のセクハラ防止の取り組みが不十分だった」とも主張していました。
しかし、裁判官は「会社はマニュアルを作成し、研修もしており、相応の体制を整えていた」と、その部分については女性の主張を退けています。

会社が日頃からその対策(研修)の手を打っていたからこそ、現時点でこの程度(使用者責任)で済んだということが言えます。

裁判になると、会社のセクハラに対する認識の程度を必ず見ます。


就業規則にも、ハラスメント規定はしっかりうたうべきです。


最近では、セクハラが起こっているのを知りながら、被害者を助けようとしなかった社員についても、セクハラに手を貸したものと見なして懲罰の対象とする規則が増えています。
「我が社にはセクハラが起きることは絶対ないんだ」という毅然とした仕組みが必要なのです。


それから、言った、触った等という直接的なことだけではなく、会社のパソコンのスクリーンセーバーや壁紙にヌード写真を設定していたりして、他の人を不快にさせてもリッパ?なセクハラになりますからね。


ちなみに、その場合、刑法175条「わいせつな文書、図画、その他の物を」頒布し、販売し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役又は250万円以下の罰金若しくは過料に処する」に抵触する可能性があります!



さぁ、あなたの部下は大丈夫ですか?


あなたの同僚は大丈夫ですか?


それから、あなたの上司は大丈夫ですか?



もし、気になるなら注意してあげた方が、その人のため、会社のため、そして自分のためですからね!