カサゴは主に岩礁地帯に生息している根魚です。船釣りなどでは30センチから50センチクラスの大物が釣れますが、海岸の岩場や波止などでは25センチもあれば大物の部類に入ります。通常は20センチクラスで満足、満足と言ったところです。普通はオキアミを餌にして釣りますが、波止の夜釣りで、特に探り釣りやぶっ込み釣りをする時などは、サバの切り身が良いそうです。家の冷凍庫の中に弁当のおかず用に保存してある塩サバの切り身を少し拝借して持って行くと、オキアミで釣れない時に結構優れた代替餌として使えるんだそうです。これは、真冬の寒い中での夜釣りで、サバの切り身を餌に波止を歩き回りながらの探り釣りでかなりの数のカサゴを釣っていた釣り人から直接聞いた話なので本当のことなのでしょう。僕は面倒なのでオキアミ一本です。

 

 僕のカサゴ釣りの定番の釣り場は、前のアイナメの記事で書いた、昼間はファミリーフィッシングで賑わうかなり大きな漁港の波止の先端の誘導灯台が設置してある波止です。中年になってからは多忙な日々が続き、釣りに行くのは、月に1~2回、それも土曜日の午後11時から午前1時の深夜に限られるようになっていました。カサゴは冬場に釣れるので、寒くないようにと重ね着にさらに重ね着をして万全な防寒対策を施し、さらに海に落ちた時のためにライフジャケットを着込んで釣りを始めるのですが、あまりの重ね着のために上手く竿が振れないなどと言うことさえありました。それでも、ジーンと体に染み込んでくる寒さには辛いものがありました。

 

 仕掛けは、一応チヌが釣れたら御の字と言うことで、チヌ用の投げ浮子と当たり浮子(電気ウキ)の仕掛けで、当たり浮子から二尋ほど道糸を伸ばし、それにサルカンを付けてその先に1号か2号のチヌ針を結び付けた一尋ほどの2号のハリスを付けます。気が向くと、蛍光ビーズを2, 3個、針の上に付けることもあります。この蛍光ビーズは、セイゴやスズキ釣りにはかなり有効ですが、チヌやカサゴ釣りでは、それほどの効果はないようです。餌はオキアミですが、やや大きめのものが良さそうで、尻尾を切って、匂いが出るようにすると集魚効果がありそうです。

 

 この釣りでは、1回の釣行で、うまくすると20センチクラスが3匹ぐらい釣れるので、僕としてはなかなか効率の良い釣りの部類に入りますが、誰もいない深夜の釣り場での一人っきりの釣りと言うものは、いくらトランジスタ ラジオでラジオ放送をイヤホンで聴きながら寂しさを紛らわせてみても、やはり何となく気味が悪いし、それにじんじんと言う感じで寒さが身に染みるし、せいぜい2時間が限度です。

 

 釣れたカサゴの料理ですが、珍しく25センチぐらい大物のが釣れた時は刺身が一番です。しこしことした歯ごたえのある上品な刺身になります。フグ刺のように薄く削ぐように包丁を引いて薄切りの刺身にして薬味に浅葱を入れたポン酢で食すとなかなかのものです。それ以下の大きさのカサゴは、やはり煮魚にするのが定番で、普通の煮魚の料理法では、かなり歯ごたえの強いぷりぷりとした身に煮上がります。

 

 ところで、「とても柔らかいカサゴの煮たの」を作ることが出来ます。そのコツですが、水の段階から吸い物ぐらいの薄めの塩加減の汁(少し醤油を入れますが、日本酒や砂糖は入れません)で弱火でやや時間をかけて煮ていくものです。煮上がったら仕上がりです。それ以上煮ると身が堅くなってしまいます。濃い目の煮汁で味のしみ込んだ煮魚が好きな人には物足りないでしょうが、「えっ、これがカサゴの煮たの? ものすごく柔らかく煮上がっているね。」と言う感じに仕上がります。一度試してみて下さい。