我が家から車で30分の大きな汽水湖(S湖)での釣りになりますが、これが思ったよりよく釣れるので、40代後半から20年ほどはスズキ(中型はセイゴと呼び、60センチ以上はスズキと呼びます)釣りがメインになっていました。
今から20年くらい前のこと、僕の教室のA講師が、彼の中学生の息子さんが釣りをし出したのを機に彼も釣りを始め、何事にも凝る性格であったので、2年も経たないうちに僕よりも釣り道具を充実していました。或る日、研究室で釣りの話をしていた時に彼が言うのには、「先生、S湖は岸からでもセイゴが釣れますよ。この間、30センチ以上のが3匹も釣れました。」とのことでした。「本当かね。じゃあ、今度の土曜日にでも行ってみよう。」と言うことになり、そのS湖に二人でセイゴ釣りに行ってみました。H川のS湖に注ぐ河口の近くで釣ってみたのですが、20センチのセイゴの小さいのが数匹釣れただけで、「A君、君の言うほどのことはないな。」などと話していました。
その時、そんな我々の横を3人組の釣り師たちが通りかかって来たのですが、彼らの内の一人が「どうですか。釣れますか。」と訊いてきたので、「いやぁー、釣れませんね。」と答えると、「それじゃ、湖側の方に行くか。」と言って通り過ぎていきました。そこで、「それじゃ、僕等もそっちに場所を変えてみるか。」と言うことになり、僕らは彼ら3人組の釣り師の後を追って行き、すでに湖側で釣りを始めていた彼ら3人組の隣30メートルの所に釣り座を構えました。そうして、自分らも釣りを始めて様子見をしていたのですが、15分もたたないうちに、3人組の一人に当たりがあり、見事50センチクラスのセイゴを釣り上げました。「あっ、本当に釣れるじゃないか。」と言うことになり、そばに行って彼らの仕掛けを見てみると、単3電池を使うタイプの遠投用の電気ウキを5号の道糸に付け、電気ウキを取り付けたサルカン(道糸やハリスを取り付ける金具)に70センチぐらいのハリスを垂らし、それに17号ぐらいのセイゴ用の針を付けた仕掛けを使っていました。
スズキ(セイゴ)は、食い上げで餌を食べる(上に居る餌を泳ぎ上がって食べる)性質があるので、食い気がある夏場は、ハリスは半尋(ひろ)(一尋は両手を広げた長さ)程度で十分なのです(5月から6月の水温が低い季節は、ハリスを2尋(約180センチ)ぐらいに長くする方が良く釣れます)。大きなセイゴやスズキの当たりは、ずーんと言う感じの当たりで、電気ウキが横に1、2メートルほど斜めに動きながら沈んでいきます。浮子がピクンピクンと沈むような当たりは、殆どは小物の当たりなので合わせをすることはありません。ズーンとした当たりが出てから、ゆっくりと5つほど数えて餌をしっかりと飲み込ませ、それから、おもむろに強めの合わせを入れて、あとは道糸を張りながら岸まで寄せてくればバラスことはまずありません。不思議なことに、S湖のセイゴやスズキは、あまり鰓洗いと称されるジャンプはしないので、岸まで寄せればまず間違いなく釣り上げることができます。そういう意味で、面倒くさがり屋の人間には向いた釣りです。
早速、彼ら3人組の人たちの真似をして、仕掛けを作り、餌の青イソメ(青虫とも言う:海に住んでいるミミズみたいな環形動物)を2, 3本房掛けにして50メートルぐらい遠投して当たりを待ちました。そうしたら、一投目で当たりがあり、見事、人生初の50センチのセイゴを釣り上げることが出来ました。それ以来、セイゴ釣りはそのS湖か、S湖に注ぐH川の河口の川岸(大きな運動公園の横の川岸なので、コンクリートの階段になっていて釣りやすい場所です)でやっています。ルアー釣りも、夕まずめにはやってみることはありますが、竿を振り続けないといけない割には殆どヒットして来ないので時たま気が向いた時にしかやりません。仕掛けを投げ込んだら、あとはラジオでも聴きながらじっと待つだけでよい青イソメの餌釣りがメインです。
今までの最高記録は80センチのスズキ(65センチ以上をスズキと呼びます)ですが、この時は2号のチヌ竿でタモも使わずにズリ上げるような感じで釣り上げることができました。これはその釣り場が水面から20センチの高さしかないために出来る荒業です。S湖でのセイゴ釣りは結構よく釣れる釣りで、今まで3時間で45センチから65センチのセイゴを17匹ぐらい釣ったことがありました。この時は、釣り上げる度に生き締めと血抜きを繰り返したため、殺生の罪悪感と少しでも沢山釣り上げて記録を作ってやろうという欲との心の戦いでした。
このS湖の護岸やS湖に注ぐH川の川岸の階段では、通常1.5回の釣行で35センチ以上のセイゴが最低1匹は釣れます。以前に勤めていた大学の教室のトップになってからは忙しく、釣りには1年に」数回ほどしか行かなくなっています。加えて、その後、⑨年間は、大きな地方都市の大学に単身赴任していたため、S湖の近くにある我が自宅には1か月に2回ほどしか帰らないので、セイゴ釣りには、殆ど行かなくなりました。10年前の夏休みには、1回セイゴ釣りにS湖に釣行しましたが、40センチが1匹と30センチクラスが5匹と言う釣果でした。