僕が住んでいる地方は、あまりグレ(メジナ)釣りは盛んでなく、太平洋側では冬場の60センチを超す大物が出るシーズンでも、40センチ以上のグレにお目にかかることは、グレ釣りの好きなセミプロの釣り師でも稀なことです。僕は磯渡しや島渡しの釣りは面倒なのでやりませんが、僕の地方の釣り雑誌などの情報を見ても、そう言う良いポイントに出かけて行っても、この地方では大物のグレは期待薄なようです。

 

 僕は、波止かテトラポッドでの釣りが多いので、最初からグレが釣れる可能性はとても低いのですが、それでもたまには30センチクラスのグレが、ほとんどまぐれで釣れて来ることがあります。今までに10匹ぐらいは釣れています。さすがにグレは当たりが明確で引きも強く、僕の専門とするチヌとはちょっと釣り味が違います。

 

 寒さの厳しい2月のことでしたが、少し足を延ばして車で25分の漁港の波止に出かけました。釣り場に着いたときはもう夕方になっていましたが、少し波が荒れ気味の波止の先端で一人の釣り人がグレ釣りをしていました。撒き餌をかなり撒いての普通のグレ用の仕掛の5メートルぐらいのチョイ投げでの釣法でしたが、驚いたことに30センチクラスのグレが5匹以上釣れていました。

 

 「へえ、こんな所でも結構なグレが釣れるんだ。」と感心し、僕もその人の横でグレを狙ってみましたが、僕の方はやはり撒き餌の利かせが上手く行っていないようで、1時間ほど竿を振り続けましたが、グレは1匹も釣れ上がって来ませんでした。

 

 それで、これじゃ埒が明かないと方針転換をして、棚を2.5尋に深めに取り、オキアミをパラパラと撒き餌にして、投げ浮子を10メートルほどのポイントに投げ込んでのいつものチヌ釣りを始めました。そうすると5分もしないうちにチヌの当たりがあり、何と45センチの大物のチヌが釣れ上がりました。気を良くして、そのままチヌ釣りを続けたところ、それから30分もしないうちに同じクラスの大物チヌが釣れ上がって来ました。この経験に味を占めて、その後数年は、2月になると同じ波止にチヌ釣りに出かけ午後5時から2時間ほどチヌ釣りに挑みましたが、場合によっては、柳の下にはドジョウが結構いることもあるようで、毎年1,2匹の大物のチヌを釣ることが出来ました。

 

 ちょっと話が逸れましたが、今日の話題はグレの鍋はとても美味しいということでしたね。これは、多分「関西の釣り」か「釣りサンデー」のグレ釣り名人が書いた記事で知ったのですが、グレは鍋にすると非常に美味しいと言うことでした。30センチクラスのグレが特に美味しいとのことで、アラと頭を取り去ったグレの身を2枚におろし、皮付きのまま厚さ3センチぐらいの切り身にして(片身は中骨付き)鍋にしますが、白菜やネギなどの野菜(春菊は香りが強すぎていけません)と豆腐を入れて、水を張った鍋に日本酒を少し加えてから塩味だけで味付けして煮て行きます。

 

 この時、普通の鍋では昆布を敷きますが、グレ鍋では昆布は入れなくて良いです。昆布の出汁がグレの出汁と油の味を若干邪魔するからです。ぐつぐつと煮込んでいくと、グレの身から透明な脂が浮かんできて、グレの身から出てきた旨味と相まって、魚臭さの全く無い何とも言えぬ上品なそして深い味わいの鍋になります。これは、チヌを鍋にした時のやや魚臭い味とは大違いです。

 

 みなさんも、中ぐらいのグレ(20センチクラスのグレでも大丈夫です)が釣れたら、塩だけで味付けした鍋にしてみて下さい。夏場には、グレ特有の臭みが気になると言いますが、不思議なことのこの塩味のグレ鍋では。夏場でもそうした臭みは全く感じられません。是非とも試してみて下さい。