NHKにしては面白かったドラマ (3) 「正直不動産」
嘘がつけない主人公が不動産業界の不正をぶっ壊す痛快コメディ
NHKドラマ「正直不動産」は、2022年に放送が始まった人気シリーズで、原作は大谷アキラ・夏原武・水野光博による同名漫画。脚本は根本ノンジ、演出は川村泰祐ほかが担当し、NHKらしからぬテンポの良さとコメディセンスで、若い世代にもじわじわ人気を広げている作品です。
主人公は、山下智久演じる 永瀬財地(ながせ・さいち)。大手不動産会社のトップ営業マンで、これまでは“営業トークのためなら多少の嘘も辞さない”タイプ。しかしある日、祠を壊した祟りで 「嘘がつけなくなる」という不思議な体質になってしまいます。顧客に物件い関しての嘘をつこうとすると、突然強風に煽られて、本人に意思にかかわらず、本当のことを言ってしまうのです。営業の世界で嘘がつけないのは致命的ですが、逆にその“正直すぎる営業”がトラブルを呼び、時に人を救い、時に業界の闇を暴いていくという痛快なストーリーです。
永瀬の相棒的存在となるのが、福原遥演じる 月下咲良(つきした・さくら)。新人営業マンで、まっすぐで誠実。永瀬の“正直すぎる暴走”を止めたり、逆に励ましたりする存在で、Z世代にも親しみやすいキャラクターです。福原遥は『ゆるキャン△』『舞いあがれ!』などで人気を集める若手女優で、柔らかい演技がドラマの空気を軽やかにしています。
さらに、永瀬のライバルとして登場するのが、市原隼人演じる 鵤聖人(いかるが・まさと)。クールで仕事ができるエリート営業マン。永瀬とは真逆で、合理性と結果を重視するタイプ。二人の対立はドラマの大きな軸で、Z世代にも「こういう上司いるよね」と共感を呼ぶキャラクターです。
このドラマの魅力は、単なる不動産業界の裏側暴露ではなく、“正直であることは損なのか、得なのか”という普遍的なテーマを、笑いとテンポの良さで描いている点。物件の選び方や契約の注意点など、若者にも役立つリアルな知識が盛り込まれているのもポイントです。
山下智久のコミカルな演技、福原遥の爽やかさ、市原隼人の鋭い存在感が絶妙に絡み合い、NHKドラマとは思えないほど軽快で、Z世代でも「ちょっと観てみようかな」と思える作品に仕上がっています。
「正直不動産」シリーズは現在までに “シーズン1(全10話)・シーズン2(全10話)・特別編(2種類)” が制作されており、2024年と2025年に新しいスペシャル版が放送されています。最近では、2025年2月放映の「正直不動産ミネルヴァ Special(89分)が見ものです。主役は ディーン・フジオカ(神木涼真)で、ミネルヴァ不動産を舞台にした空き家問題やオーナーチェンジなど、社会問題を扱う内容でした。興味のある方は、NHKのオンデマンド配信を観て下さい。損はしません。