朝ドラ「ひまわり」の再放送を観ている 設定に無理がある!

 

 いま、朝ドラ「ひまわり」の再放送を観ているが、当時の主人公役の松嶋菜々子は初々しくて可愛いが、原作と脚本の状況設定に無理があり、ちょっと納得できんのだね。

 

 それは、主人公の司法試験のことなんだ。主人公は大学の法学部を出て、会社の事務員をしていたが、彼氏と結婚することを優先して、その会社を辞めてしまう。母親は動物病院の院長をしているので、生活には困らないが、或る日、母親の昔からの知り合いの弁護士の先生に感化されて、突然、司法試験を受けると言い出すんだ。一度は受けてみたものの、当然ながら択一試験で不合格に終わる。

 

 その後、主人公は恋人とも別れ、決意も硬く司法試験のための猛勉強を始める。そして実家を出て安アパートを借り、早朝3時間の清掃業のアルバイトをしながら、午前中は司法試験の予備校に通い、その後は夜遅くまで法律の勉強に精を出す。そして、その1年後には、再度司法試験に挑戦すると言うストーリー展開だ。

 

 そこまでは、まあ良いとして、何とたった1年の猛勉強で、司法試験を一発で合格してしまうと言う設定に問題があるんだ。ナレーションで、択一試験も、その後の論文試験もまぐれで合格し、あまりまともな答えも出せなかった口頭試問も奇跡的にパスしてしまったことになっている。

 

 僕の高校時代の友人は、東大文一を難なく現役で合格し法学部に進んだが、卒業の年の司法試験では不合格になってしまった。その後、二回目の挑戦で合格して、今は弁護士をやっている。そのぐらい、司法試験は難しいもんなんだ。

 

 さて、この朝ドラの主人公は、東大法学を出たほどの秀才ではないだろうから、そんなに頭脳優秀でもないだろう。それが、たった一年の猛勉強で司法試験に合格するのは、本当に奇跡か、あるいは何かの間違いしかあり得ない。

 

 法律関係の公的試験は、司法試験、司法書士試験、行政書士試験のいずれでも、試験範囲の項目の法律を全て記憶しないといけない。たとえば、司法試験の短答式試験(択一試験)は、憲法、民法、刑法が試験範囲であり、民法だけでも、総則から始まり966条もあって、1条に数項目あることが多い。そのものすごい数の法律文とそれに関係した判例の殆ど全てを的確に理解して記憶しないと択一試験すら合格できない。

 

 この朝ドラの原作者と脚本家は、そうした実情を知っていたのだろうか。この朝ドラの主人公がたった一年間の勉強で、択一試験や論文式試験や最後の口頭試問をパスしたなどとは到底思えない。

 

 もちろん、原作者や脚本家さんたちは、そんなことは重々ご承知で、物語の進行をスムーズにして視聴者に飽きられないことを最優先して、そんな奇跡を描いてみせたのだろうが、法律家の国家試験の非常なる難しさを知っている者には、到底納得できないストーリーだな。

 

 何れにしても、何度も司法試験などの法律に関係した国家試験を受けている人達には、気分の良くない朝ドラであることには違いはない。この辺が、NHKの朝ドラの詰めの甘さと非情さを物語っているようだ。

 

 他に、或る民法でキムタクが主演した法律関係のドラマで、素敵な女優さんが検察事務官役を演じていた。そのドラマの最終話では、その事務官の女性が頑張って、検察官試験に合格して検事になったと言うストーリ―になっていたが、そんなに簡単に合格するものかと、少し疑問に感じたものだ。

 

 今回の朝ドラも、検事のドラマも、厳しい試験に合格したのが、美人さん達だから、許してしまおうかな。羞花閉月と言う四字熟語や、色白は百難を隠すと言う諺もあるし、英語では drop-dead gorgeous と言う言葉もあるからね。