簡単な数学 知ってるかい? (3-1) 掛け算と足し算の謎
文系の人のみを対象にしてます
今日は、ABC問題についてお話しします。これは掛け算(乗除)と足し算(加減)についての問題です。なんだ掛け算とか足し算なんて、幼稚園児でも出来る子は出来ちゃうぞ、などと言われる方も居るかと思いますが、どうしてどうして、高度な数学にとっては、ものすごく難しい問題を孕んでいるのです。
まずは掛け算ですが、例えば、4 X 21= 84と言う掛け算について考えてみると、4は素因数分解すると、2 個の2から成っていて(遺伝子は2個の2)、片や21は1つずつの3と7(遺伝子は3と7)から成っています。次に、4と21の掛け算の答えは84ですから、素因数分解すると、2 X 2 X 3 X 7となるので(2個の2と、1個の3と、1個の7の遺伝子からなっていると言うことになります。この掛け算の左辺と右辺を比べると、どちらも2個の2と、1個の3と、1個の7の遺伝子から構成されていると言えます。つまり、掛け算の場合は、左辺の掛け合わせでは、左辺の数(親)の遺伝子は、破壊されることも無くそのまま右辺の答え(子供)の数に持ち越されるという訳です。このように、掛け算は簡単なのです。
これに対して、足し算ではどうでしょうか? 例えば、4+ 21 = 25の足し算では、右辺に は2個の2と1個ずつの3と7の遺伝子が有りますが、右辺の答えの25には5の遺伝子が2つ有ることになります。従って、足し算では、左辺の数(親)の遺伝子は、右辺の数(子供)の遺伝子には伝わらないと言うことになります。
このように、数の遺伝子と言う観点で見ると、掛け算と足し算ではその性質が全く異なることが分かります。すなわち、掛け算では、左辺で掛け合わせる4と21と言う数の遺伝子(親の遺伝子:2個の2と、各々1個の3と7)は、右辺の84と言う数の遺伝子(子の遺伝子:2個の2と、1個ずつの3と7)と同じになるのです。
他方、足し算では、左辺の4と21の遺伝子(親の遺伝子:2個の2と、各々1個の3と7)は、右辺の25の遺伝子(子の遺伝子:2個の5)という訳で、左右両辺の数の遺伝子は互いに異なります。従って、足し算では、左辺の数(親)の遺伝子から、右辺の数(子供)の遺伝子を予測することは不可能であると言うことになります。と言うことで、足し算と言うのはとても複雑なのです。
つづく