俳句 2023春~2025冬
葉桜の 下で寛ぐ 人の声
ハナミズキ 乙女心も 光りおり
断捨離の 作業を終えて ハナミズキ
花も良し 葉も見事なり ハナミズキ
銭湯の 菖蒲湯嬉し 朝湯かな
筍の 皮に挟める 梅一つ
柏餅 一つ頬張る 笑顔かな
妻仕事 夕食作り 木の芽かな
梅雨半ば 猛暑の昼は 風強し
月変わり 初めて今年の 蝉を聞く
クーラーを ひと時止めて 読書かな
水やりで 一息つくか 日々草
行き過ぎぬ 電車の音や 夏の宵
クーラーを 利かせて転折 学びおり
早朝の 風が吹き抜く 猛暑かな
剪定を 終えて我が庭 秋の風
朝方の 土砂降り止んで 鱗雲
朝寒や タオルケットと 膝頭
満月は まだまだ先の 芒かな
香りたつ 金木犀の 秋の朝
コスモスに 注ぐ光や まだ暑し
やや冷ゆる 小春日和の 昼寝かな
新米の 夕餉の飯の 香りたつ
剪定を 済ませて欅 秋の月
秋の空 澄み渡るにも 星見えず
ドブ攫い 秋の日差しに 汗滲む
剪定を 前に草刈り 腰痛む
庭の蚊も 少なくてなりて 芒かな
秋晴れに 灯台躑躅の 赤眩し
我が庭に 小春日和の 枯葉落つ
紅葉の はらりと散るや ハナミズキ
紅葉の 灯台躑 待ちわびる
欅より 枯葉一枚 舞い降りぬ
遊び田に 枯れ草多し 明治節
冷ゆる朝 テレビ観ながら 二度寝かな
軒先で 囀る雀 けふは来ず
陽の光 部屋の奥まで 秋深し
秋寒の 突然来たり 朝辛し
紅葉の やや進みつつ 空青し
満月も 薄雲の中 芒かな
昼下がり 香りやうれし 金木犀
猛暑日の パタリと止みて 雨続く
A Iで 棋譜並べつつ 秋刀魚焼く
朝冷えや 葉数減りたる 姥目樫
我が庭で ニヤリと笑う 芒かな
朝方の 時雨降り止む 小春かな
植木屋の 刈り残したる 実南天
風呂工事 バスタブ設置 師走かな
冬ざれの 風景続く 遊歩道
欅の葉 庭に溜まりて 冬籠り
饅頭を 一つ食べおり 炬燵かな
当番の 洗濯終えて 朝炬燵
冬寒や 洗濯物を 部屋で干す
庭椿 赤花落つる 時雨かな
山茶花や アベリアの葉に 埋もれ咲く
枯れ桜 まっすぐ続く 遊歩道
霜月の 風おさまりて 欠伸かな
冬の空 することも無く ツイッター
冬の鴨 患者の咳や 流行り風邪
冬の雁 インフル土産に 渡りかな
鴨鍋や 獣臭さの 馳走なり
杜氏来る 山里の蔵 厳かに
寒し朝 うたた寝しつつ ネット見る
冬木立 枝の間に 光満つ
初炬燵 差し込む日差し なお温し
冬タイヤ 交換待ちの 気怠さや
国道の 車連なる 師走かな
年の瀬の 曲とも聞ゆ バイオリン
山茶花に 紅き華有り 師走かな
冬タイヤ 単身赴任 侘び住まい
冬炬燵 為すことも無く 欠伸かな
扇風機 仕舞い忘れて 霜柱
知らぬ間に 転寝炬燵の 師走かな
正岡子規の俳句(実に上手い)
秋にさく 心強さよ 鬼あざみ
いのちありて 今年の秋も 涙かな
行く秋に しがみついたり 蔦紅葉
いのちありて 今年の秋も 涙かな
秋風や われは可もなく 不可もなし
此頃の 蕗のにがさよ 秋の風
赤蜻蛉 筑波に雲も なかりけり
ある僧の 月も待たずに 帰りけり
摘みこんで 杉垣低き 小春かな
鶏頭の 十四五本も ありぬべし
薪をわる いもうと一人 冬籠
菊の香や月夜ながらに冬に入る
いくたびも 雪の深さを 尋ねけり
吹きたまる 落葉や町の 行き止まり
せはしさに 寒さわするゝ 師走哉