簡単な数学 知ってるかい? (2)

 

3) 素数の不思議

 素数と言うの知ってる? 2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19 ........みたいに、1か自分の数でしか割り切れない数のことだね。自然数の中の一群の数なんだが、素数はてんでんバラバラの規則性の無い間隔で出てくることが知られている。世界中の24万人の素数ファンが協力し合って、数年前に彼らのパソコンを使って世界で一番大きな素数を見つけたが、何と2486万2048桁の数字なんだそうだ。2からこの巨大な素数の間では、素数は確かにばらばらに出現して来ている。自然数の数列のなかでパラパラと出てくることもあるし、非常に密集して連続して出てくることもあり、その出方がまさしくランダムなんだそうだ。
 では、無限大まで、素数はバラバラに出てくるのか、いや、それともどこかで規則性を持って出てくるのかは未だにはっきりしていない。
 
 大数学者オイラーは、素数を使った下記の様な永遠の掛け算の式を作り計算を行い、重要な発見を成し遂げた。
 
[2(2乗) / 2(2乗) -1]  X  [3(2乗) / 3(2乗) - 1 ]  X  [5 (2乗) / 5(2乗) - 1]  X 
[7(2乗)/7(2乗) - 1]  X  [11(2乗)/11(2乗) - 1]  X  [13 (2乗) / 13(2乗) - 1] .............
 
 この永遠の掛け算の答えは、何とπ(2乗)/6 となったそうだ。このことは、自然数の中でてんでんバラバラに配置されている素数が円(完全調和の形)を表すπと密接に関係していることを示している。
 
 詳しい説明は省くが、素数は数の最も基本的な定数である自然定数eと密接に関係していることを、かの天才大数学者ガウスが証明している。要するに、素数と言うものはてんでんバラバラなくせに、数学の根源と深い関係があると言うことだ。
 
 そして、この不可思議な現象の解明に挑んだのが、天才数学者リーマンである。彼は下記の様なゼータ関数(無限級数)を考案し、素数の出現の新たな規則性の解明を試みたのである。
 
[2(x乗) / 2(x乗)  - 1 ]  X  [3(x乗) / 3(x乗)  - 1 ]  X  [5(x乗) / 5(x乗)  - 1 ]  X
[7(x乗) / 7(x乗)  - 1 ]  X  [11(x乗) / 11(x乗)  - 1 ]  X   [13(x乗) / 13(x乗)  - 1 ] ................
 
リーマンは、そのゼータ関数の大きさを立体なグラフで描いてみたのであるが、グラフの高さがゼロになる点(ゼータ関数の大きさがゼロになる点:ゼロ点)の位置について調べた。
 リーマンが実際に数個のゼロ点について計算してみると、ゼータ関数は不規則な素数しか使っていない関数であるから、バラバラな位置にゼロ点が配置されていると思っていたのだが、ゼータ関数のゼロ点は、ぴたりと一直線上に並んでいることが分かった。もしゼータ関数のゼロ点が全て一直線上にある(リーマン予想)となると、自然数の数列内での素数の出方には何らかの規則性があることになる。
 
 これは大変なことなんだ。現在、メールなどの情報の暗号化に使われている方法は、2つの巨大な素数同士の掛けわわせてその積を求めることと、その積を元の2つの素数に因数分解することをベースにしたものであるから、素数の並び方に何らかの規則性があるとなると、いま使われている最も秘匿性の高い暗号が、将来的には使えなくなることを意味するのだそうだ。なお、1859年にリーマンにより発表されたこの難問は未だに解かれていない。あまりに難解なため、ここ当分はリーマン予想は証明されないだろうから、今の段階ではあまり心配は要らないだろう。