先日の振替加算支給漏れに続いて、今度は遺族年金の過払い支給が発覚しました。
日本年金機構:遺族年金、18億円過払い 検査院指摘へ
https://mainichi.jp/articles/20171011/k00/00m/040/158000c
今春までの過払い額は計約18億円に上るが、うち約8億円は5年の消滅時効を迎えており、返還請求手続きを取ることができない状態にあるそうです。
またまた日本年金機構に批判の目が向きそうですが、決してそうばかりとは言えないと考えます。
前進の社会保険庁や統合前の共済年金、これを含めてもともと年金制度を複雑化させてきた国や厚生労働省官僚たちの年金制度に対するずさんな管理体制や連携不備、国民への周知不足が招いたことが一連の事件が起きている一番の要因ではないでしょうか。
今回問題になった遺族年金は、夫を亡くした対象となる妻に対して支給されます。
その上で、事実婚を含めて再婚したり、子供が18歳を超えたりするなど遺族年金の受給資格を失った場合、受給者側は年金の種類に応じて喪失日の翌日から10日または14日以内に「失権届」を最寄りの年金事務所に提出し、受給を停止させる必要があります。
でも、受給資格を失う事由や事由が発生したら届を出さなければならないことを知っている人はどのくらいいるのでしょうか。
知らない人の方が多いと思います。
そのくらい年金制度は複雑であり、国民への周知がされていないのです。
年金事務所の点検作業は、失権届の記載内容に不備がないかを外形的に確かめるにとどまり、記載内容を戸籍などと照合する仕組みになっていなかったことが主な原因と記事では書かれています。
縦割り行政等の問題もあり、業務間でシステム連携が取れていればこのような問題はある程度防げていたはずです。
点検作業の内容には問題があるでしょうが、それでも全て日本年金機構に責任を押しつけるのはいかがなものでしょうか。
明らかに国や国会議員、国の機関の責任が大きいと言わざるを得ません。
マイナンバー制度が導入されたことで、届を出さなくても支給や停止がもっと簡素化できるような取り組みをして頂きたいと切に願います。
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