Mリーグ、2月9日(金)第二試合、白鳥翔プロ(渋谷ABEMAS)トップで迎えた南4局。三番手の滝沢和典プロ(KONAMI麻雀格闘倶楽部)がリーチを掛けた。1筒4筒7筒の三面待ち。1筒なら高め一気通貫で満貫(Mリーグルール)になる。自らが上がればトップの白鳥プロ。攻めの姿勢の一局だったが、滝沢プロのリーチに対して安全牌が無くなってしまった。7筒は既に手に有りここまで放銃を回避していたのだが、そこへ1筒を持ってきてしまった。

 

 解説者の河野直也プロ(最高位戦日本プロ麻雀協会)の「これは1筒切りになりますね」の発言通り、白鳥プロは1筒を放銃。7筒切りであれば一気通貫はつかないから放銃しても二千点で済みトップで終われたのだが、満貫で滝沢プロの逆転トップとなった。この結果に河野プロが続けて「間違ったことはしていないんだけれど」と発言。

 

 そうなんですね。この場面では1筒切りが正解なのです。1筒には辺張や嵌張待ちは存在しないし、7筒だと断么九が付くかもしれない。結果は1筒だと一気通貫が付いてしまいましたが7筒でも一気通貫になる可能性はあるし、断么九の方が全帯么九よりも可能性が高いので、この選択は間違ってはいません。

 

 麻雀を御存じでない方には何のことか全くわからないお話です。

 

 先ず申し上げることは、「必ずしも最善の選択が最善の結果を呼ぶとは限らない」という事です。

 

 しかし、1筒と7筒の安全度が同じだった上記局面において7筒を選んでトップを維持しても、結果は最善だったにしても選択としては最善ではありません。何故ならここで7筒を選ぶような打ち手は他の局面で最善の結果を得られないことが多くなるからです。

 

 つまりは、「結果が上手くいかなくてもそれが最善の選択によるものであれば、それをいちいち気に気にしていても意味がない」という事です。これは、麻雀に限ったことではなく、人生の色々な局面にも当て嵌まるのではないかと思います。もちろん他に回避する術があるのでしたら検討することになりますが、上記の例の様にどうしようもないものなら「仕方がない」で済ませればいいのではと思います。