「マクロ経済スライドとは、平成16年の年金制度改正で導入されたもので、賃金や物価の改定率を調整して緩やかに年金の給付水準を調整する仕組みです。将来の現役世代の負担が過重なものとならないよう、最終的な負担(保険料)の水準を定め、その中で保険料等の収入と年金給付等の支出の均衡が保たれるよう、時間をかけて緩やかに年金の給付水準を調整することになりました。

 

 具体的には、賃金や物価による改定率から、現役の被保険者の減少と平均余命の伸びに応じて算出した「スライド調整率」を差し引くことによって、年金の給付水準を調整します。

 

 なお、このマクロ経済スライドの仕組みは、賃金や物価がある程度上昇する場合にはそのまま適用しますが、賃金や物価の伸びが小さく、適用すると年金額が下がってしまう場合には、調整は年金額の伸びがゼロになるまでにとどめます(結果として、年金額の改定は行われません)。

 

 賃金や物価の伸びがマイナスの場合は調整を行わず、賃金や物価の下落分のみ年金額を下げることになります。」

 

 日本年金機構のホームページからの引用です。

 

 先月下旬、今年4月からの公的年金の支給額が発表され2.7%の増額になりましたが、物価上昇率は3.2%、賃金上昇率は3.1%であることから実質目減りです。物価や賃金の上昇分をそのまま適用しないシステムを「マクロ経済スライド」といい、上記の引用文の様な仕組みです。

 

 今年の年金額改定に関する報道を見ると「実質目減り」だけが大きく取り上げられ、何故、マクロ経済スライドが存在するのかを説明しているものが少ないように感じます。そういう私も昨年このテーマについて書いたものには目減りしか書いていませんでした。

 

 少子高齢化に伴う現役世代の負担増との調整のために存在してる事を書いておかなければならないですね。