受験申込者数  受験者数  合格者数   合格率  合格者平均得点

 令和5年度  59,460人  46,991人  6,571人  13.98%  197点

 令和4年度  60,479人  47,850人  5,802人  12.13%  197点

 令和3年度  61,869人  47,870人  5,353人  11.18%  198点

 

 正直合格率を見て驚きました。かなり高い。最近は10%を少し超える程度で推移していますが、直近10年では平成29年度の15.7%に次ぐ高さ。平成以降、さらに高かったのはあの平成14年度の19.23%のみ。つまりここ35年間で3番目の高さです。平成14年度に多くの合格者を出した事に因るものかと思われますが、翌年平成15年度の2.89%から始まった合格率一桁台。さらに平成12年度以前の一桁台。それらを知るものとしては、驚くほどの高さです。10人に一人も合格しなかった試験が、約7人に1人が合格する試験になったのです。

 

 合格率が高くなっていることを非難しているのでも合格率が高い年の合格者を下に見ているのでもありません。

 

 「何故、合格率が高くなっているのか?」

 

です。

 

 受験者の数ですが、ここ3年は47,000人前後です。しかし、その前5年間は、4万人前後。平成29年を除き合格者数も5千人を切る状態でした。その平成29年度も6,360人と今年度よりも少ないのです。

 

 それでも受験者数はここ3年は増えているのですが、多数の合格者を出した翌年の平成15年度の受験者数は81,242人。その前年も67,040人と現在とは比べ物にならないほどの受験者数だったのです(因みに合格者は12,894人でした)。

 

 平成12年度試験から論述式(800字)試験が廃止され現在に近い記述式に変更になったこと。そして、行政書士事務所を舞台とした漫画「カバチタレ」が話題となり、さらにドラマ化され行政書士が身近になったことが理由として挙げられます。それまでは3万人台だった受験者数が平成13年度に6万人を超えます。それ以降も10年ほどは6万人を維持。多い時は7万人を超えています。

 

 この頃が合格率一桁台の時代。角度を変えてみると現在と合格者数が大きく変わっていないという事。業界としてはある一定数の合格者を出したいのだと勝手に想像しています。更に勝手な想像として今年度久々に合格者数が6千人台と少し多めになったのは来年度分の先取りではないか。来年度少し試験科目が変更になる事からおそらく難易度を高めるのではないか。そう思えるのです。何故なら試験科目を変更した初年度に合格者数が大幅に増えることは避ようとするのではないか、そう考えるのが自然の様な気がするのです。