「基本書はどこまで読み込みましたか?」

 

「講座を取るとそれが目的になってしまいますよ」

 

 社会保険労務士試験だけではないが、資格試験の合格者はまだ合格していない方々にアドバイスしがちである。また、合格を目指している方々も少しでも合格に近づきたいと合格者の勉強法を真似しようとする。

 

 その気持ちは解る。私も自分の経験が役に立つのなら求められるのならお話はしている。但し、私の勉強法が必ず合格に導くものとは限らない。受験生の属性によって当然勉強法は違うのである。短期間で一発合格と記されたSNSも散見されるが、それをまねた全ての受験生が短期合格するのではないことは自明である。

 

 最初に掲げた二つの言葉。これは私が受講した資格スクールの講師のアドバイスである。前に記したが、私は令和3年(2021年)試験の合格を目指し、その年初から独学で学習を始めた。資格スクールの直前講座と模擬試験を利用し、本試験を受ける予定であったが、デルタ株の流行で自粛を余儀なくされ(受験しても合格できる見込みは薄いとの判断もあり)、数日後自宅で問題を解いた。その結果は、選択式は合格基準点は超えたものの厚生年金保険法が2点(あの悪名高き労一は3点取れたが)、択一式は37点と合格点には遠く及ばず、令和4年(2022年)試験を目指すこととなったのである。

 

 独学では合格は無理と判断し、資格スクールの講座を費用は掛かるが受講しようと考え電話相談したところ、上記2つの言葉を講師から頂いたのである。

 

 基本書の読み込み不足については、他の資格スクールの講師からもアドバイスされたし。講座受講のデメリットについては、講座を販売している資格スクールの講師が商売返上で発した言葉であり、その重みを強く感じた。

 

 勉強法は、人それぞれと記したが、この2つの言葉は、多くの受験生に当てはまる言葉ではないか。社会保険労務士試験だけでなく、それ以外の資格試験の受験生に対してもである。

 

 ただ、この言葉を勉強法としてどう取り入れるのか。そこは、「人それぞれではないのかな」と考える。