コロナ禍になって私の勤務先では一切飲み会がなくなった。歓送迎会然り新年会然り。もちろん忘年会も。今年もそう。社会全体が2019年以前の状態にかなり戻っているが、私の勤務先は元には戻っていない。

 

 「忘年会は業務か否か」。ニュースの特集コーナーでそんな話題が取り上げられ社会保険労務士が解説し、業務時間内に社内の一室で忘年会を行っている企業が紹介されていた。

 

 個人的には業務以外の何物でもないと若い頃から思っていた。私は下戸である。アルハラなんて言葉もなく、酒の飲めない奴は見下される、そんな若手時代を過ごしていたのである。

 

 「就職」ではなく「就社」。そういわれて久しい。日本の雇用形態は「メンバーシップ型」と呼ばれ、日本経済が好調な時は世界から評価された雇用形態であるが、世界では特異な形態である。「忘年会」や「社内旅行」はその典型的な特徴である。

 

 人手不足が叫ばれている昨今、このままでは経済が回らないと外国人労働者の受け入れを考えている様だか、この様な特異な雇用形態の国に外国人労働者が定着するであろうか。しかもバーゲンジャパンの状態である。日本の賃金水準は世界的に見て決して高い訳ではない。従来の様に安価な労働力を外国人労働者で賄おうと考えていては、外国人労働者の定着など夢の夢ではないであろうか。

 

 日本の雇用形態は大きな転換期に来ている。