約40年ほど前、「女性=クリスマスケーキ」と比喩されました。クリスマスケーキは12月25日に合わせて作られます。つまり26日以降は売れ残り。25日も夜遅くになると値段が下がってきます。この日付を年齢に置き換えて女性の結婚適齢期を表現したものです。つまり女性の結婚適齢期は25歳。それを過ぎると・・・、というわけです。これを「クリスマスケーキ理論」と言います。

 

 流石にこの時代でも女性蔑視が甚だしいと考えられたのか「男性=年越し蕎麦」とも言われましたが、こちらはあまり広がらなかった様です。

 

 とは言え、男性も30歳過ぎて独身でいると色々と圧力が掛かってきます。結婚して一人前という風潮が今よりも強かった時代です。結婚することを「身を固める」と言いました。独身者=遊び人とのイメージも強く、結婚観が現在とは違ってもいました。

 

 男性は20歳代後半、女性は20歳代前半で結婚し2人以上の子供を育てる。半ばそれが義務の様な時代でした。

 

 厚生労働白書によると1989年の平均初婚年齢は、男性28.5歳、女性25.8歳であり、2019年の平均初婚年齢は、男性31.2歳、女性29.6歳です。女性の地位向上と社会進出等もあり晩婚化が進んでいます。現在は、「女性=年越し蕎麦」とか「女性=おせち」等とも言われることもあるようです。

 

 結婚適齢期は、その人ごとで違うものであり「クリスマスケーキ理論」など男女問わず存在しないものとは思いますが、社会的に色々とあるのだなとは思っています。

 

 晩婚化は少子化につながるので、これ以上の晩婚化は社会としては防ぎたいと考えるのはやむを得ない事かと思います。ただ少子化については、もっと重要なことがあるように思えます。前にも書きましたが、「男性も女性も同じように長時間労働をしなくてはならない社会」が問題ではないかと思います。過剰サービスの日本です。奉仕の精神を求めることが強すぎます。過去の様にマンパワーで遣り繰りしようとすることは今後増々人手不足となるであろう社会においては、不可能になると考えます。我々バブル世代が、自分たちが20歳代30歳代だった頃の「24時間働けますか?」という言葉が流行語となる様な時代と同じことを今の現役世代に求めない。それが、改善の第一歩ではないかと思います。

 

 クリスマスイブを迎えるにあたって、そんなことを思いました。