東京紅魔郷計画<改> -粛清の動機- | Resistance to Despair

Resistance to Despair

絶望への抵抗

<注意!!

当作品は「東方Project」と

「ドラゴンボール」をモチーフとした

二次創作小説です。

原作とは設定が大きく異なります。

 

以上をご理解の上ご覧下さいませ。 

 _______________________

 

トラもあれからかなりのパワーアップを

果たしていた。

ケンブラックの気で練り上げた刃と自分の刀を

激しく突き合わせていく。

 

「思ったより、やるな。

だが、その程度の力でオレの本気に

こまで迫れるかな?」

 

その直後、両者の実力差は徐々に開き始めた。

 

劣勢になったトラに加勢しようと

マイが向かっていこうとするが、

レミリアがすかさず進路を塞ぐ。

 

ケンブラックにとってはたとえ二人がかりでも

勝算は全く揺るがないが、

レミリアも久しぶりに

戦闘を楽しみたくなったようである。

 

「あなたは名門紅魔館の誇り高き当主である

この私が相手よ。

カリスマ吸血鬼に遊んでもらえることを

せいぜい光栄に思いなさい」

 

マイの力は従者である咲夜よりも

劣るものであったが、

一瞬で殺してしまわぬように

レミリアはかなり手加減した。

 

「クックック…貴様らがくたばるのも

もはや時間の問題だ。

この北米エリアを沈めれば、

理想郷の完成もいよいよ大詰め…。

二人であの世から眺めるがいい」

 

「理想郷だと!?

お前たち、一体何を考えているんだ!」

トラが語気を強めた。

 

「オレは醜い人間どもが蔓延って汚れた

この世界を浄化させるために、

妖怪出身の主、レミリア・スカーレット率いる

紅魔館、

そして、魔界の神である神綺レイムと同盟を結び、

手を組んだのさ。

我が正義と彼女たちの気高き思想が反映された

秩序のある美しい世界を築くためにな」

 

「ふざけるな!

無意味な破壊と殺戮を繰り返す

お前たちの何が正義だと言うんだ!?

 

「ほう、ヒーロー面してよくそんな偉そうなことが

ぬかせるな。

貴様らのほうがオレたちよりはるかに大きな罪を

犯していると思うがな。

 

そうだ、レミリアもこいつらに

何か言っておきたいことがあるだろう?」

 

「そうね、憎き人間の代表として

冥途の土産にでも伝えておこうかしら?」と

レミリアが近づいた。

 

「かつてあなたたち人間は魔力を

悪の産物だと決めつけたうえで正面から否定し、

私達妖怪や魔法使い等、

自分たちと異なる種族を一方的に迫害した。

浅はかな科学と悪知恵を働かせ、

この世界と自然を我が物顔で支配しようとした

下品な人間どもの顔は

今でも決して忘れることはない。

 

あれからだいぶ時は流れたけれど、

ブラックから聞いた話から察するに、

現代でもその愚かさは変わっていないようね。

 

この場で死んで、自分たちの恥と無力さを

思い知ることだわ

 

続いてケンブラックが断罪の言葉を浴びせる。

 

これで分かっただろう。

人間に強い憎しみを持ち、撲滅を願う者が

オレだけじゃなかったということを…。

そして、オレがこの世界に住む

人間どもの粛清を求めた最大の目的は

古川トラ、貴様なのだ。

最近になって大規模な紛争や暴動テロが減って、

自分の負担が少なくなったのをいいことに

マイと二人でトレーニングをサボり出し、

若手の早苗には裏で陰口を叩く始末。

さらに、極めつけは己の力を過信し、

本来震災復興支援として使われるべく必死に集めた

金と物資を横領し、

私腹を肥やすために注いだ汚行の数々だ。

よって、極刑としてこのオレとレミリアが

貴様らに死への裁きを下す!」

 

 

トラとマイはその言葉と並々ならぬ殺意に

顔が束の間硬直した。

 

ケンブラックの攻撃がさらに重みを増し、

トラを追い詰める。

 

レミリアはマイに悪魔の微笑みを浮かべた。

 

「所詮は私達を敵に回した時点で

あなたたちが惨めに敗北する運命は

決まっているのよ」

 

「クッ…!」

 

「レミリア、遠慮は要らん。

いつでも好きなタイミングで

殺(バラ)してしまって構わんぞ!」と

ケンブラックがけしかけた。

 

そうはさせじとトラが援護に向かおうとするが、

ケンブラックに阻まれる。

 

「邪魔はさせんぞ。

言ったはずだ、

貴様ら人間は滅び去る運命だとな…!」

 

 

~<エスカレートする怒りとパワー>に続く~