東京紅魔郷計画<改> -恐怖の計画始動(Ⅱ)- | Resistance to Despair

Resistance to Despair

絶望への抵抗

<注意!!

当作品は「東方Project」と

「ドラゴンボール」をモチーフとした

二次創作小説です。

原作とは設定が大きく異なります。

 

以上をご理解の上ご覧下さいませ。

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レミリアはよくぞ聞いてくれたと

言わんばかりの表情で説明を始めた。

 

「まず、あなたが住民を消し去ってくれた

この東京に新しく紅魔館を建て、

私達の軍事拠点とする。

その後、西洋エリアへは私とアリスで出向き、

東洋エリアへは神綺と魔理沙で行ってもらう。

私達の手にかかれば一週間程でこの世界の人間どもを

ほぼ全滅させることができるわ」

 

「ほう、ずいぶん手際が良さそうだな」

 

「まあ、私の個人的な最大の目標は

この世界を制圧した後、

この時代の博麗霊夢を倒すことですけどね」と

神綺が付け足すように言った。

 

「君たちが以前敗れたという

その幻想郷の巫女とやらも気にはなるが、

トラとマイも強敵がこれだけ増えては

もはや勝算すら考えられんだろうな」と

ケンブラックは不敵に笑った。

 

 

翌日、世界中のあらゆる人間は

死の恐怖にさらされることになった。

 

神綺やレミリアの魔力やエネルギー弾の一つ一つが

アメリカやロシアが持つ

最新型の核兵器をも超える威力を放ち、

ケンブラックは一日で残りの日本の主要都市と

中国・朝鮮半島を沈めた。

 

「すぐに分からせてやる。

この世界に本当に必要なのは誰かということをな…」

 

 

トラとマイの居場所を突き止めたのは

それから3日後、

トラの生まれ故郷であるカナダの

トロント郊外であった。

 

難を逃れるために東京から海を渡って

隠れに来ていたところを

北米エリアを攻め込みに来たレミリアが

二人の気配を掴み、

連絡を受けたケンブラックが駆けつけたのである。

 

「つくづく罪作りな奴らだな。

こんなところまで隠れに来た間に

日本国内にいたほぼ全ての住民は

この世から消し去ってやったぞ。

お前らの茶番劇に騙されて応援していた

哀れな仲間たちや家族を含めてな」

 

「なんてことを…!

お前、自分がどれだけ惨いことをしたのか

分かっているのか!」

 

「惨い、だと?

お前らこそ何も理解できていないようだな。

 

以前オレたちがテロリストやチンピラ同然の

ショボいマフィアから救った国や土地で、

次の日には資源と財産を求めて

住民同士で無意味な争いを繰り広げ、

自滅する始末だ。

 

己の利権だけを露骨なまでに誇示し、

私利私欲に身を任せたまま

目先の快楽に溺れる人間どもなんぞ

この世界に何の生存価値もない。

故に滅びるべきだとオレは気付いた。

 

ちなみに、この心強き味方である誇り高き吸血鬼と

東洋エリアにいる魔法使いの一族も

人類滅亡を推奨し、ともに粛清を進めてくれている」

 

「あと3日もすればあなたたちを含めた

この世界の人間は

私達の手によって地上から姿を消すことになるわ」と

レミリアも口を添えた。

 

「何だと⁉ 世界中の人間を

皆殺しにしようというのか⁉」

 

「そういうことだ。

天界に住むザーマスという次期界王神も

このオレに“地上の神”としての

称号を与えて下さり、

愚かな人間どもによって大きく乱された

自然と秩序が立ち直ることを望んでおられるぞ」

 

「界王神…だって⁉

そんなの嘘よ!

神様があんたたちに人殺しを命じたとでもいうの⁉」

 

マイが声を震わせながら言った。

 

「どこまでも自分たちの非を認めないつもりね。

ブラックの言っていたとおり、

いつの時代も人間はどうしようもない種族だわ」と

レミリアは一蹴した。

 

「話はひとまずここまでだ。

今日こそお前らの息の根を止めてやる

 

ケンブラックが気を開放し、

周りの樹木の枝が揺れ始めた。

 

前回会った時とはまるで気の種類が異なり、

さらに大幅にパワーアップしていることに、

トラとマイは動揺を大きくした。

 

「クッ…これほどまでとは…

しかも、この感じは、まさか本当に神の気を…!?」

 

「トラ、闘うしかないの⁉」

 

「ああ、あんなとんでもない気に変化したブラックに

あの得体の知れない

ヴァンパイア風の女まで加わったのでは

今逃げてもおそらく捕まる…。

こうなってしまった以上は、やるしかない!」

 

トラとマイもそれぞれ気を開放し、

戦闘態勢に入った。

 

 

「では、始めるか。

“聖なる裁き”をな…!」

 

 

~<粛清の動機>に続く~