フラワリングナイト -当主の誇り- | Resistance to Despair

Resistance to Despair

絶望への抵抗

<注意!!

当作品は「東方Project」と

「ドラゴンボール」をモチーフとした

二次創作小説です。

原作とは設定が大きく異なります。

 

以上をご理解の上ご覧下さいませ。

 

 

「そうか、この時代のアリスから奪った水晶玉で

オレたちのことが分かったわけだな。

だが、貴様らの作戦は失敗だ。

いくらダメージを負っても、残りの力を出し切って

人形もろとも片付けてやる」

 

「そんなことを言っていられるのも今のうちよ」

 

 

 

一方、二人のレミリアの攻撃を

軽々と交わし、蹴散らすジョウン。

 

「どうしたの? これから二度殺されようとしている

仲間もいる紅魔館当主の悔しさは

こんなものなのかしら?」

 

…これ以上、あなたには誰も殺させないわ!」

 

過去レミリアは覚悟を決めていた。

 

「その昔、親があなたの両親を殺してしまったことは

私にはなんてお詫びすればいいのか

分からないぐらい申し訳なく思っている。

 

だけど、今のあなたがやっていることは

もはや吸血鬼への復讐じゃない。

単なる独裁と殺意に満ちた歴史改変よ。

 

この身を捨ててでもあなたを倒し、

この時代の歴史を守ってみせる!」

 

過去の自分がこれから何をしようとしているのか、

現代レミリアは直感的に理解した。

 

「あなた、まさか…」

 

「この世界と紅魔館を救うには、

もうこれしか方法がないのよ。

私がこの幻想郷に来ることで

引き連れてきてしまったジョウン・ダークは

私の手で食い止める」

 

過去レミリアは微笑んで言った。

 

 

「私、この時代に来て嬉しかった。

フランやパチェも生きていて、

心からあなたを慕ってくれる。

そして、あれだけ強くて頼もしい仲間がいる。

 

この幻想郷で、紅魔館の当主として

生き生きと振舞うあなたを見て決心がついた。

 

あなたたちが築き上げた

未来への希望が詰まったこの世界を

殺戮と支配しか喜びを得なくなった人間に

絶対に明け渡してはいけないってね」

 

「話は済んだかしら?

そろそろ息の根をとめさせてもらうわよ」

 

ジョウンが冷酷な笑みを浮かべて言った。

 

「お願い。このままじゃ全員やられてしまう。

私が気を溜める間、頑張ってジョウンを食い止めて」

 

「分かったわ」

 

現代レミリアがジョウンに立ち向かう。

 

「この世界の…紅魔館の誇りを見せてくれる!」

 

「従者よりパワーが劣ってしまったあなたが

今の私に何ができるというの?」

 

楽しむように現代レミリアを追い詰める

ジョウンの前に、

再び咲夜が現れる。

 

「あなたもしつこいわね。レミリアと一緒に

八つ裂きにされたいのかしら?」

 

「そうはさせない!

さっきのお返しをたっぷりしてやるわ」

 

「咲夜、どうやって…!?」

現代レミリアが尋ねる。

 

「ケンさんが、悪いほうのアリスと上海人形は

自分が凌ぐから、

お嬢様を援護してやれって言ってくれたのです」

 

「…いかにもブラックらしい決断ね」

 

レミリアがつかの間嬉しそうな笑みを浮かべた。

 

~<ファイナルグングニル(Ⅰ)>に続く~