受け継がれる世界 -幻想郷へ(Ⅱ)- | Resistance to Despair

Resistance to Despair

絶望への抵抗

<注意!!

当作品は「東方Project」と

「ドラゴンボール」をモチーフとした

二次創作小説です。

原作とは設定が大きく異なります。

 

以上をご理解の上ご覧下さいませ。

 

 

「どうやら話はついたようね。

それで、いつここを発つつもり?」

紫が落ち着いた声で尋ねる。

 

「そうね、咲夜やパチェの完全回復も

もう少し時間が要るし、

荷物やアイテムの整理もあるから

3日後でどうかしら?」

 

「分かった。図書館の移動は私も手伝うわ」

 

「あら、どういう風の吹き回しかしら?

普段胡散臭いあなたがそこまで素直だと

かえって薄気味悪いわね」

 

「言葉を慎みなさいレミリア。

後であなたの苦手なニンニクを

たっぷり贈りつけるわよ?」

 

ケンブラックは二人のやりとりが

まるで掛け合い漫才のように

見えるのであった。

 

 

 

出発の朝、一同は紅魔館の門外へと出て、

上空から辺りを見下ろした。

図書館は紫とパチュリーの魔法によって

先に幻想郷に戻されていた。

 

紫が尋ねる。

「ケンブラック。もうこの世界に

思い残すことはないわね?」

 

「ああ、オレが荒らしてしまった街は

そのうちゴワーズ様に頼んで、

修復してもらうようにするさ」

 

「じゃあ、幻想郷に向かうわよ。

みんな、私に捕まって」

 

こうして一同は東京を後にした。

 

 

 

「さあ、着いたわよ」

 

周りの景色は大きく変わったが、

ケンブラックが最初に目に付いたのは

東京に作られた紅魔館の

倍以上の広さに見える本館だった。

 

レミリアたちは中に入って

荷物を片付けはじめた。

 

「ブラックは空いている部屋で良ければ

適当に使って」

 

「ありがとう。近いうちに

自分の家を建てるまではお世話になるよ」

 

その後、昼食を済ませた一同は

ケンブラックを連れて博霊神社に向かった。

 

 

境内に降り立つと咲夜と近い世代と思える

女二人と

20歳そこそこと思しき少女がいた。

事前に紫が呼んでおいたようである。

 

「おかえりなさい、紅魔館の皆さん。

お揃いでようこそ」

 

「久しぶりね、あなたたちに会うのは」

 

巫女姿の女はレミリアの後方に立つ

ケンブラックと視線を合わせた。

 

~<異変解決の担い手>に続く~