受け継がれる世界 -幻想郷へ(Ⅰ)- | Resistance to Despair

Resistance to Despair

絶望への抵抗

<注意!!

当作品は「東方Project」と

「ドラゴンボール」をモチーフとした

二次創作小説です。

原作とは設定が大きく異なります。

 

以上をご理解の上ご覧下さいませ。

 

 

「ケンさん、幻想郷へ行ったら

どんな仕事をするの?」

 

「いい質問だなフラン。

君たちは紅茶が好きだろう?

だから茶葉の栽培とか

パンや麺類の原料である小麦粉を作って

工場や店に卸しに行こうと思っているんだ。

まあ、幻想郷の人口がどれほどのもので

どれだけ需要があるかは

調べてみないと分からないが…。

 

そして、空いた時間を使って

誰もいない場所を探して修行する」

 

「へ~、何だか楽しみだね。

私も時々手伝いに行きたいな」

 

「気持ちはありがたいけど、

フランはパチュリーの図書館で

本を借りて教養を身につけたり、

小悪魔にお菓子作りでも習ったりするほうが

向いているんじゃないかな…」

 

「何それ?ケンさんまで

お姉様と似たようなことを言うのね」

「そういうことよ、フラン。

大人になるためには色々勉強が必要なのよ」

 

…そういうわけだから、せっかく東京で

ここまで紅魔郷を作り上げたレミリアや、

こちらに来て間もないパチュリーたちには

申し訳ないが、

オレのわがままを聞いてもらえるか?

もちろん魔法は使えないけど、

その、引越しでオレにできることがあれば

協力するからさ。

頼む、このとおりだ、当主様…」

 

「だから、あなたにそうやって

急に改まれると

こっちも調子狂って困るのよ。

とりあえず顔上げて」

戸惑いながらもレミリアは微笑んでいた。

 

 

「こういうこともあろうかと本館を

そのままにしておいて良かったわ。

 

紅い霧は博霊の巫女に敗れて

消し飛ばされたけど、

確かに幻想郷のほうが空気自体は

澄んでいるし、

仲間もいるからね。

 

それに、私たちがこうして

生きていられるのも

あなたのおかげだし、

わがままの一つや二つを言う資格が

充分すぎるほどあるわ。

 

だけど、これだけは約束して。

仕事と修行に夢中になりすぎて

そのうち咲夜のことをほったらかしに

しないようにね」

 

「ああ、もちろんさ」

 

「ありがとうございます、お嬢様」

 

 

「おめでとう。咲夜、ブラック」

レミリアたちは笑顔で二人を祝福した。

 

~幻想郷へ(Ⅱ)に続く~