人事部29年の社労士 吉崎です。
労働安全衛生法の定めにより、業種を問わず事業場ごとの人数が50人以上の場合は衛生委員会を設置し、開催しなければならないことになっています。
なっています、という言い方になる理由は、実際には開催している企業が少ないということです。
製造業、建設業など「安全」に注意が必要な業種であれば、安全委員会を設置していることはありますが、サービス産業の場合は、「衛生委員会って何?」、「一体何を話せばいいの?」との質問を受けるくらいです。ストレスチェック制度の導入にあたり、衛生委員会を設けて、ストレスチェック制度の進め方について決めてくださいと言われて、初めて知ったという話も聞きます。
念のため、法律の定めをおさらいします。
衛生委員会の運営方法
「総括安全衛生管理者又は事業の実施を統括管理する者」「衛生管理者」「産業医」「労働者」で構成されます。議長となる総括安全衛生管理者以外のメンバーの半数は労働組合または労働者代表の推薦に基づき指名することになります。
また、衛生委員会は毎月1回以上開催しなければならず、委員会における議事の概要を労働者に周知するとともに、議事で重要なものは記録を作成し、3年間保存する義務があります。
委員会を設置しなかった場合と議事の保存義務違反には50万円以下の罰金が課せられます。
都道府県労働局では、衛生委員会開催状況について「アンケート調査」の形式で、実態把握に努めているのが実情です。調査の結果、未実施事業場が多いことが把握できていますので、今後は指導に入ってきます。
長時間労働の立ち入り調査時には、衛生委員会の開催状況も合わせて調査されて、改善指導されるケースが増えています。メンタル不全を含む労災事故削減という行政目標達成のために労働局も力を入れています。何より、従業員の健康管理の側面から企業側も対応が必要です。
「何をテーマにすればいいの?」という企業については、義務化されたストレスチェック制度の実施状況の報告や職場分析結果等を共有することから始めては如何でしょうか。職場単位で特徴が出てくるかもしれませんので「犯人探し」にならないように注意して進めていきましょう。
その場合、衛生委員会の責任範囲を超える議論になることが考えられます。例えば、長時間労働の原因となる働き方の問題です。これは別のプロジェクトを社内に設置するなどして取り組む課題です。何でも衛生委員会でやることは無理がありますので、議論の仕分けをしたうえで進めることが、継続できるコツのように思います。
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