有給休暇の計画的付与とはどのような制度で、どうすれば良いのですか | ツノダ人事多摩オフィス 武蔵野・多摩エリアの社労士ブログ

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Q 有給休暇の計画的付与とはどのような制度で、どうすれば良いのですか

労働環境をより良くすれば会社が元気になります。

三鷹市・武蔵野市・立川市・世田谷区・杉並区などの東京都内と武蔵野・多摩エリアで活動する社会保険労務士事務所 ツノダ人事多摩オフィスの角田です。

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Q 有給休暇の計画的付与とはどのような制度で、どうすれば良いのですか

A 就業規則などで規定することで有給休暇の日数のうち5日を超えた部分の取得日を会社が指定できます。

これまで政府は平成284月から、従業員に年5日の年次有給休暇を取得させる義務を企業に課す方針で、労働基準法改正案の調整が進めてきています。現時点では、今国会での労働基準法改正案の成立が危ぶまれているため、今のところ平成28年春からの有給休暇の消化の義務化(その他、一連の改正内容を含む改正労働基準法の施行)は行われない可能性が高いようです。



政府はこの新しい制度で、年10日以上の有給休暇を与えられる従業員に、毎年時季を指定して年「5日」の有給休暇を取らせることが企業の義務にしようと考えていました。




結果としては平成28年春からの「有給休暇の消化の義務化」は困難かもしれませんが、決して消滅したわけではありません。近いうちに「有給休暇の消化の義務化」というのは実際に法律として制定されることになるでしょう。



 さてこの「有給休暇の消化の義務化」に近い制度が現在でもあります。



もちろん義務ではなく任意の制度ではありますが、有給休暇の『計画的付与』と言われるものです。



これは有給休暇の取得率を向上させるために、労使協定を締結し、その内容に沿って有給休暇を自動的に取得させようという制度です。



具体的には、「創立記念日」「夏期休暇(お盆休み)」「年末年始休暇」「ゴールデンウィーク」など、毎年決まって休暇を与えている日や、社員に休まれても業務に影響の出ない会社の閑散期、または本人・配偶者・家族の誕生日などの「メモリアル休暇」「バースデー休暇」としてなど、会社にとって都合の良い時期に、有給休暇を会社の指定で取得してもらう仕組みです。



有給休暇の計画的付与は

●企業もしくは事業場全体の休業による一斉付与方法

●部署単位・班・グループ別の交替制付与方法

●年次有給休暇付与計画表による個人別付与方法

などさまざまな方法での運用が可能です。


ただし、有給休暇の計画的付与では、有給休暇の付与日数すべてについて認められているわけではありません。これは、従業員が病気・怪我その他の個人的要件による取得ができるよう、ある程度の日数は必要があるためです。



そのため、年次有給休暇の日数のうち5日間は個人が自由に取得できる日数として必ず残しておかなければなりません。このため、計画的付与の対象となるのは有給休暇の日数のうち、5日を超えた部分となります。


例えば、有給休暇の付与日数が10日の従業員に対しては5日、20日の従業員に対しては15日までを計画的付与の対象とすることができます。


年次有給休暇の計画的付与制度の導入には、就業規則による規定と労使協定の締結が必要になります。

①就業規則による規定

まず、有給休暇の計画的付与制度を導入する場合には、就業規則に「5日を超えて付与した年次有給休暇については、従業員の過半数を代表する者との間に協定を締結したときは、その労使協定に定める時季に計画的に取得させることとする」などのように定めることが必要です。


②従業員代表との労使協定の締結

実際に計画的付与を行う場合には、就業規則の定めるところにより、従業員の過半数を代表する者との間で、書面による協定を締結する必要があります。



※この労使協定は所轄の労働基準監督署に届け出る必要はありません。


労使協定で定める項目は次のとおりです。

●計画的付与の対象者(あるいは対象から除く者)

●対象となる年次有給休暇の日数

●計画的付与の具体的な方法

●対象となる年次有給休暇を持たない者の扱い

●計画的付与日の変更



国の労働政策の流れとしては企業規模を問わず、有給休暇の取得率の向上を目標としています。また社内でも有給休暇を計画的に消化することによって、未消化の年次有給休暇を減らすことができ、また従業員の心身のリフレッシュにも繋がることになります。

会社側として有給休暇の取得日のコントロールができる点も魅力です。積極的に導入を検討してはどうでしょうか。



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