てんかん患者は幼児期に発症して小児科医の診療を長年受けるケースが少なくないが、年金の申請上は精神障害に区分される。社保庁の通知によると、精神障害分野での障害年金の申請には「精神保健指定医または精神科を標ぼうする医師」の診断書が必要。このため、小児科医による診断書はほとんど認められず、脳外科医なども認められないという。
国立病院機構静岡てんかん・神経医療センターの久保田英幹診療部長は5年前、30代女性の障害年金申請のため、女性が居住する広島県の精神科医を紹介した。女性は2年後、父親の死亡で親族のいる神奈川県に転居。社保事務所に毎年提出する「現況届」に診断書を添えるため、広島の医師に紹介された神奈川の脳外科医を訪ねたが、社保庁の通知を理由に診断書を書いてもらえなかった。女性は受給資格を失い、翌年久保田さんの診断を受けて再認定されたという。久保田さんは「年金の診断書作成を精神科医に限るのは患者の成長や生活実態と乖離(かいり)している」と指摘している。
(毎日新聞6/29)
障害年金の認定基準や医師の要件などの細かい部分は行政の通達で決められています。つまり国会の議決を要する法律ではないということです。ですから、てんかんの関係団体のように、現場から声をあげ、実際の取り扱いについて不適切な部分を改正するよう要求することは、非常に意義のあることですね。
診断書を作成する医師の側にも、書類を受理する役所の側にも、障害年金についての知識のある方が少ないということが問題になっています。本当は年金受給できる方が非該当という認定をされてしまうこともあるのです。障害年金を受給したくても、本当に相談できる窓口がとても少ないということです。また、悪質な組織的不正受給も増えていますね。
行政が弱っているので、現場から意義のある声をどんどんあげる必要がありそうですね!そして、柔軟な運用が行われるよう求めていくことが大切だと思います。